連載 :
  ReadWrite Japan

Androidに指紋認証技術と音声認識がもたらされる

2015年10月16日(金)
ReadWrite Japan

9月25日にサンフランシスコで開かれた新しい製品や機能を紹介するイベントで、グーグルはいくつかの発表を行った。それらのいくつかは巨大なAndroidアプリ開発者コミュニティーの興味をひくものだった。

新しいハードの紹介に交じって、サービスとアプリについても説明があったが、そこでAndroidにとって新機軸となるものがある。

Marshmallow、あるいはAndroid6.0として知られるこの最新のモバイルOSで、開発者は新しい指紋センサーであるNexus Imprintにアクセスすることができるようになる。またアプリでより多くの音声認識機能が利用できるようにもなる。

指をかざすだけ

グーグルのデモでは、携帯の本体裏に備え付けられたセンサーに指を置くだけでアンロックすることができた

グーグルのデモでは、携帯の本体裏に備え付けられたセンサーに指を置くだけでアンロックすることができた

グーグルが今になって指紋認証に乗り出したのは別に驚くことでもないだろう。バイオメトリック認証は最近のホットな話題であり、ハッキングに対して脆弱性があるといわれるAndroidにとってはなおの事気になるものだろう。

グーグルはセキュリティ強化のために、Marshmallowの登場にあわせて指紋読み取り技術をどうにか持ってきたいと恐らく考えているのだろう。そして今、Androidのソフトに組み込まれた機能とNexus Imprintの組み合わせにより、開発者たちはAndroidのより深いところまで触れるチャンスに恵まれることになる。

グーグルのデモではパスワードやPINコード、パターン/表情認識を使わず、携帯の本体裏に備え付けられたセンサーに指を置くだけでアンロックすることができた。このセンサーの配置についてグーグルのAndroidエンジニア部副社長のデイビッド・バークは「電話を持つとき普段さわるところだ」と述べている。

目の付け所はいい。Nexus Imprintの主な用途の一つはAndroid Payのトランザクションのための認証だ。携帯、それも特に大きめのスマートフォンを持つときに指は自然と本体裏面に添えられる。これで出先でのモバイル支払いがより便利なものとなる。HTCも同様、HTC One Maxの本体裏に指紋センサーを配置している。

開発者たちもこの機能をアプリで使うことができるため、アプリへのログインやアプリ内でのトランザクション処理を追加する手間が省ける。バークによれば、これは利用するたびに学習を積み重ねる技術でもあり、使えば使うほど認識がより正確に速くなるという。グーグルのスキャナー/ソフトウェアでは600ミリ秒以内で指紋の読み取りを行うことができるという。

おしゃべりになったグーグル

グーグルの音声機能

グーグルの音声機能

Marshmallowには他にもバッテリー寿命の向上(セカンダリプロセッサやDozeについて)、改良された通知、速くなったスクロール、新しいウィンドウアニメーション、ダイナミックアプリ検索、シンプルになったランタイムの許可設定、音声機能へのアクセスの改良などが加わった。

特に音声機能については、グーグルは自社の音声認識/操作技術をより自然なものにするため動いていた。そのゴールは、やり取りをあたかも人間が行うようにシームレスなものにすることだ。ユーザーとまるで会話しているようにやり取りしてもらうことを目的とした取り組みはようやく日の目を見ることになる。

グーグルのバークによる発表では、開発者たちはアプリに対話的な音声機能のエクスペリエンスをもたらすことが出来るようになるという。「OK, Google」検知機能(スクリーンがオフの状態でも検知できるという)を使って、アプリとユーザーのインタラクションをより自然なものにできる。

他にも新しいGoogle Now On Tap機能が紹介された。これはNexus 5Xおよび6PでGoogle Nowのさらなる機能を実現するものだ。Nexusに最初からバンドルされていいたアプリの数は減り、どちらのデバイスもグーグルのWi-Fi/セルラーハイブリッドシステム、Project Fiに対応しているのも興味深い点だ。

Project Fi

Project Fi

ハード面では低消費電力のセカンダリプロセサが紹介された。新しい端末の両モデルではAndroid Sensor Hubが組み込まれる。これは端末がどのように動かされてるかをモニターするものだ。(iPhoneのモーションコプロセサのようなものだと考えればいい)このチップはカメラのセンサーとも連動し、消費電力の削減に様々な形で役立つはずだとグーグルは主張している。

自社のアプリとサービスに関して言えば、Google Photos(アルバム共有とChromecast互換性の提供)とGoogle Music(家庭向けアカウントは15ドルで6人まで利用できる)について触れられた。

Google Photos

Google Photos

iOSおよびAndroid向けChromecastモバイルアプリについても、動画やアプリのディスカバリ向上のための微調整が施される予定だ。

Chromecast

Chromecast

MarshmallowはNexus5,6,7,9,Player向けに始まるアップデートで利用可能になる。Android6.0がプリインストールされた新機種の出荷は、10月から始まる予定だ。

Adriana Lee
[原文]

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています