リクルートテクノロジーズが仕掛けるVRの「次」
2016年のVRは、iPhoneが登場した2007年のスマートフォンの状況に近いとの声も多く、2016年の大きな潮流のひとつと言える。
「VR元年」と言われる2016年、現状VRはどこまで進んでおり、今後どこへ向かうのか。
そのヒントがつかめるイベントとして、先日、東京タワーメディアセンターにて、リクルートテクノロジーズ主催の「未来アミューズメントパーク~視覚・聴覚・触覚を刺激する、VRを超えたスーパーVR体験会~」が開催された。
「スーパーVR」と銘打ち、会場には全身でVRを体験できる6つのアトラクションを用意。ドライブや乗馬、指で行うサッカーなど、いずれも五感に訴えるものになっている。
アトラクションは、それぞれエンタメ要素の強いコンテンツ型から、より本格的な遠隔地操作ができるテレイグジスタンス型※1に分類することができ、今回は、その中から代表的な3つのアトラクションを紹介していく。
コンテンツ型からテレイグジスタンス型まで様々な形のVRアトラクション
1、 「四季の世界遺産 ドライブ」
エンタメ要素満載。没入体験の追及をしたコンテンツ型VR。
大型バイクに乗って観光地を疾走するかのようなVR体験ができる。バイクの形をした専用の装置にまたがり、Oculus Riftとヘッドフォンを装着してハンドルを握る。
装置に関しては、映像に合わせて、人力で動かしている。
2、 「指サッカー」
「タイムラグゼロ」の簡易なテレイグジスタンス体験ができる。
指に靴を履かせてサッカーを行う。その際、手首に装着したカメラの映像とHMDから見える視界がリアルタイムに連動し、自分の指がボールを蹴る下半身のように見える。
3、 「ペンギンロボット」
6つのアトラクションの中で最も本格的なテレイグジスタンス型であり、遠隔操作ができる。
ペンギンを模したHMDとペンギンの腕を装着。腕をはばたかせると遠隔のペンギンロボットも動く。水中を動き回るペンギンの視点は、リアルタイムで連動し、見ることができる。
今回はエンターテイメント要素も強く、来場者も楽しんでいた様子であるが、このような「遠くに実在するロボットを、まるで自分がそこにいるかのような感覚で動かす」など、純粋なテレイグジスタンスを追及しようとすると、タイムラグや没入感不足といった課題も数多く残るのが、現状である。
VRはどこへ向かうのか
今回紹介した中でも、ペンギンロボットのようなテレイグジスタンス型のVRがより進化していけば、家にいながら旅行の体験ができたり、購入前のマンションでの生活を疑似体験できたりするなど、その場にいなくとも意思決定ができるレベルの体験が可能になるだろう。
VRを「仮想現実をただ目で見る」ものとして捉えるのではなく、今回のように「全身で体感できる」「遠隔地をリアルタイムで体験できる」ものとして捉えることができれば、それは新たなアウトプット体験の一つとなり得る。
「VR元年」と言われる今、これからの技術の進歩により、こうした体験が少しづつ実現に近づくことを期待したい。
※1遠隔地にある物や人を近くにあるかのように感じながら、操作などをリアルタイムに行う技術およびその体系のこと。
ReadWriteJapan編集部
[原文]
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