VMware vCenter CapacityIQの基礎知識

2011年9月7日(水)
沢田 礼子

CapacityIQを構成するソフトウェアコンポーネント

次に、CapacityIQを構成するソフトウェアコンポーネントについて説明しておきましょう。

図2:CapactyIQのコンポーネント(クリックで拡大)

図2に示したように、CapacityIQを構成するソフトウェアコンポーネントには、CapacityIQ Administrativeサービス、CapacityIQサーバー、データベースサービス、データコレクターサービスがあります。それぞれのコンポ―ネントの概要は、次のとおりです。

CapacityIQ Administrativeサービス
CapacityIQ Administrativeサービスにより、CapacityIQの管理用ユーザーインターフェース(Admin Portal)を提供します。このインターフェースを介してCapacityIQサーバーの基本設定を構成します。監視対象のvCenterサーバー登録、管理用パスワードの変更、サービスの停止・起動、SMTPなどを設定します。
CapacityIQサーバー
CapacityIQアプライアンスには、CentOSおよびCapacityIQアプリケーションが含まれており、CapacityIQプロセスはwatchdogによる稼動監視が行われています。
データベースサービス
CapacityIQ仮想アプライアンスにはデータベース(PostgreSQL)が含まれています。このデータベースには、CapacityIQの設定やvCenterサーバーから取得した仮想環境のパフォーマンス・インベントリ情報を保存するように設定されています。なお、CapacityIQサーバー以外の外部データベースへのデータ格納はサポート対象外です。
データコレクターサービス
データコレクターサービスは、vCenterサーバーの443ポートを利用してvCenterサーバーが保持している仮想環境のパフォーマンス・インベントリ情報を収集します。

また、CapactyIQのソフトウェアコンポ-ネントと通信する外部コンポーネントは、vCenterサーバーとCapacityIQ plug-inです。これらのコンポーネントの概要は、次のとおりです。

vCenterサーバー
CapacityIQサーバーは、vCenterサーバーシステムに対してセッションを保持します。CapacityIQサーバーは、vCenterサーバーのデータベースからパフォーマンスデータ・インベントリ情報を取得します。CapacityIQサーバーのデータ収集のためにvCenterサーバーのログレベルを変更する必要はありません。
CapacityIQ plug-in
CapacityIQサーバーからvCenterサーバーを登録した後、vSphere ClientでそのvCenterサーバーに接続すると自動的にCapacityIQ plug-inが表示されます。

CapacityIQの動作要件

VMware社によって構成された仮想アプライアンスはCentOSで構成され、その上でCapacityIQサービスが稼働しています。仮想アプライアンスのデフォルトスペックは以下となります。

  • CPU:2vCPU
  • メモリ:3600MB
  • ディスク:
    • 割り当てる容量:258GB(シックディスク)
    • 実行容量:12GB(シンディスク)

また、CapacityIQのバージョン1.5.xで管理できる台数は、1000台のESX/ESXi、起動中の仮想マシン6000台、インベントリーに登録されている仮想マシン8000台です。

株式会社ネットワールド

株式会社ネットワールド所属。VMware製品のプリセールスや仮想化インフラ構築に従事するとともに、VMwareプロダクトのトレーナーを担当。
国外の医学部を卒業後に医師を目指すも、紆余曲折の後IT業界に身を投じる。某大手クライアントのカスタマーサポートセンター、Windows系インフラ構築プロジェクト、Webアプリケーション系運用構築などを経てネットワールド社に入社。趣味は「自宅で仮想化」「三味線」「ネイルアート」など。

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