Lab Managerの使用[テンプレートの作成から仮想マシンの展開まで]

2011年9月27日(火)
福留 真二

前回は、Lab Managerのインストールや初期設定を説明しました。今回は、Lab Managerの基本的な使用方法として、仮想マシンをデプロイ(展開)する方法を紹介します。

仮想マシンテンプレートの作成と公開

ここではLab Managerを使用するために、最も基本となる仮想マシンテンプレートを説明します。

仮想マシンテンプレートとは、仮想マシンを複製するときに、複製元として使用される仮想マシンのマスターイメージのことです。管理者は、ユーザーに使用させたい仮想マシンのイメージをあらかじめ仮想マシンテンプレートとして作成し、それを公開しておく必要があります。ユーザーは公開されている仮想マシンテンプレートから仮想マシンを展開して利用します。vCenterで作成するテンプレートとは異なり、Lab Managerで作成したテンプレートは、仮想マシンとして実際にパワーオンできます。vCenterのテンプレートと混同しないように注意しましょう。

図1-0:仮想マシンテンプレートの作成(クリックで拡大)

以下、仮想マシンテンプレートの作成手順を紹介します。

[1-1]左ペインで[VM Template]をクリックしたあと、[New VM Template]をクリックします。

図1-1:[New VM Template]をクリック(クリックで拡大)

[1-2]仮想マシンテンプレートのスペックを入力し、[OK]をクリックします。設定項目は通常、vSphere Clientで仮想マシンを作成するときに入力する項目とほぼ同一です。

図1-2:仮想マシンテンプレートのスペックを入力(クリックで拡大)

[1-3]仮想マシンテンプレートが登録されたことを確認します。

図1-3:仮想マシンテンプレートの登録を確認(クリックで拡大)

[1-4]作成したテンプレートの名前にカーソルを合わせ、[Deploy with default]をクリックします。

図1-4:[Deploy with default]をクリック(クリックで拡大)

[1-5]黒色の[Console]画面上に[Busy]と表示されている間、待機します。

図1-5:[Busy]が表示されているときは待機(クリックで拡大)

[1-6]デプロイした仮想マシンテンプレート名にカーソルを合わせ、[View Console]をクリックします。

図1-6:[View Console]をクリック(クリックで拡大)

[1-7]Active Xをインストールすることを求められたら、[Active Xコントロールのインストール]をクリックし、Active Xをインストールします。

[1-8]Active Xのインストールが完了したあと、[View Console]を選択すると、仮想マシンのコンソールが表示されます。

図1-8-1:[View Console]を選択(クリックで拡大)

図1-8-2:仮想マシンのコンソール(クリックで拡大)

Active Xのインストールが完了しても、仮想マシンのコンソールが表示されない(黒いスクリーンの状態が続く)場合は、下記URLの内容に該当するかどうか確認してください。

『VMware vCenter Lab Manager 4.0.2 Web Console is Blank if the vSphere Client is Installed on the Same Machine』
http://kb.vmware.com/kb/1020474

ここに掲載されている大まかな内容は、ブラウザを実行しているマシン上にvSphere Clientがすでにインストールされている場合に、仮想マシンのコンソールを表示できない場合があるというものです。

[1-9]テンプレート名にカーソルを合わせ、[Insert CD]をクリックします。

図1-9:[Insert CD]をクリック(クリックで拡大)

[1-10]設定済みのメディアライブラリから適切なISOファイルを選択し、[OK]をクリックします。メディアライブラリとして登録しているデータストア上のディレクトリには、事前にISOファイルを保存しておく必要があります。

図1-10:ISOファイルを選択(クリックで拡大)

[1-11]テンプレート名にカーソルを合わせ、[Ctrl-Alt-Delete]をクリックして再起動します。

図1-11:[Ctrl-Alt-Delete]をクリックして再起動(クリックで拡大)

[1-12]OSのインストールを開始します。OSのインストーラーが起動したら、適切な設定でOSをインストールしてください。

図1-12:OSをインストール(クリックで拡大)

[1-13]OSのインストールが完了したらOSにログインし、テンプレート名にカーソルを合わせ、[Install VMware Tools]をクリックします。

図1-13:[Install VMware Tools]をクリック(クリックで拡大)

[1-14]VMware Toolsのインストールウィザードが起動するので、VMware Toolsをインストールします。

[1-15]VMware Toolsのインストールが完了したら、再起動を促す画面が表示されます。[はい]をクリックして再起動してください。

[1-16]再起動後、仮想マシンテンプレートに必要な設定を行ってください。例えば、アプリケーションのインストールなどが挙げられます。設定完了後、OSをシャットダウンします。

[1-17]OSのシャットダウン後、Lab Managerの左ペインで[VM Template]をクリックし、テンプレート名にカーソルを合わせ、[Undeploy]をクリックします。

図1-17:[Undeploy]をクリック(クリックで拡大)

[1-18]コンソール画面上に[Busy]と表示されている間は待機し、アンデプロイの完了を待ちます。

図1-18:[Busy]が表示されている間は待機(クリックで拡大)

以上で仮想マシンテンプレートの作成は完了です。仮想マシンテンプレートとして利用させたいOSをインストールし、必要な台数分の仮想マシンテンプレートを準備してください。

続いて、仮想マシンテンプレートの公開について記載します。

株式会社ネットワールド

株式会社ネットワールド所属。VMwareを中心とした仮想化関連製品のプリセールス、サービスデリバリーに従事。トレーニングやセミナーなどでスピーカーを担当することもしばしば。
最近注力しているのは、VMware vCloud Directorなどクラウド関連製品。慣れない概念や聞いたことのない用語と悪戦苦闘する毎日。地方から出てきたITを使いこなせないアナログSEで苦手なものは機械全般。

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