Arduinoを用意して簡単なプログラミングをはじめよう

2013年2月12日(火)
藤原 敬弘

プログラムの解説(2)

続いて、LEDのHello Worldプログラムについて解説します。まず、初めに理解することは、Arduinoにおける入出力には大きく分けて2種類あるということです。一つは電圧を読んだり、出力したりするデジタル入出力ピン、もう一つはシリアル通信の入出力ピンです。

Arduinoのデジタル入出力ピンと、シリアル通信の入出力ピン(クリックで拡大)

このLEDのHello Worldプログラムでは、前者の電圧を読んだり、出力したりするデジタル入出力ピンを利用しています。13番ピンはLEDを光らせるための出力ピンとして利用しています。このことを理解すれば、プログラムを読むのは簡単です。

  void setup() {
    pinMode(13, OUTPUT); // 13番ピンを出力モードに設定。
  }
 
  void loop() {
    digitalWrite(13, HIGH); // 13番ピンを5Vに変更。
    delay(1000); // 1000ms待つ。
    digitalWrite(13, LOW); // 13番ピンを0Vに変更。
    delay(1000); // 1000ms待つ。
  }
[tips] LEDとは

爆走兄弟レッツ&ゴーのコミックス第1巻で豪がつけていたライトがLED、発光ダイオードです。当時、タミヤの公式パーツとしても売られていました。このLEDは電圧を掛けると光ります。今回は赤色を使用しましたが、三原色のLEDが売られていて、全ての色を表現することが出来ます。詳しくはWikiを参照ください。
> 発光ダイオード(LED)

今週の課題

LEDのHello Worldプログラムを改良し、モールス信号でHello Worldと伝えるプログラムに書き換えてください。仕様は以下の通りとします。

  • 短点は200msとする
  • 長点は600msとする
  • 繰り返し送られるHello Worldの信号の間に長点2つ分(1200ms)の間を取る。

正解と解説は次回の記事で行います。モールス信号の詳しい概要はWikiを参考にしてください。
> モールス符号(モールス信号)

デバッグ

ここまで、初めに紹介したテスターは利用しなかったのですが、自分で課題をこなす際には必要になります。LEDの光を操作するには、プログラムの電圧を上げたり、下げたり剃る必要があります。これを基板上でチェックするために、テスターを利用しましょう。次のプログラムをArduinoに転送してください。

  void setup() {
    pinMode(13, OUTPUT);
  }
 
  void loop() {
    digitalWrite(13, HIGH);
    delay(5000);
    digitalWrite(13, LOW);
    delay(5000);
  }

テスターのつまみを20Vに設定し、写真のようにテスターの黒い端子をGNDに、赤い端子を13番ピンに接続します。

テスター(左)テスターの端子をArduinoに接続したところ(クリックで拡大)

そうすると、5秒おきに0Vと5V (正確には4.93Vぐらい)が切り替わっているのが確認出来ます。試しに、赤い端子を隣の12番ピンに接続すると、0Vで固定されているのが確認出来ます。
これがArduinoにおける、最も簡単なデバッグです。これを使って、モールス信号の課題をこなしてください。

AndroidやiPhoneといったアプリの開発も楽しいですが、Arduinoを使ってより生活に近いデバイスを開発するのは、また違った楽しみや喜びがあります。是非、Arduinoをマスターしましょう。

次回はセンサーを使った情報の読み取りにトライしてみます。

【参考リンク】

FULLER株式会社

1986年生まれ。北海道苫小牧市出身。苫小牧工業高等専門学校卒業。
Fuller, Inc. CTO
Webプログラマ、よく利用する言語はPython。Pythonコミュニティによく出没する。
趣味でArduinoやRaspberry Piなどを使って、便利なものを自作する。

twitter: @wutali / github: https://github.com/wutali

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