ビジネスUXを効果的に導入するための4つのステップとは?
UX(User eXperience)すなわち、ユーザー体験は、2000年初頭から知られている概念で、この3〜4年の間で製品の企画や開発など多様な分野で注目されている概念です。
そして製品開発はもちろんのこと、今ではユーザーの生活全般の範囲にまで拡大されて考慮されています。また、B to Cだけではなく、B to Bの領域にまでUXの概念が普及してきています。特に最近では、その期待効果に関心が集まってきています。
数年前までのIT業界では、企業システムにデザインというのは贅沢なものだと思われていて、ただ見た目をきれいに飾る程度の認識がほとんどでした。しかし、いくつかの企業においてUXの成功事例が知られるようになったことで、システムの画面も単にきれいなものではなく、業務の効率性と生産性を高めることだと考え、顧客満足度の向上につなげるための画面や機能の設計を行う企業が増えてきました。
このような背景から、企業システムにUXを導入しようとするニーズが増加しており、これからはUXを付加的な意味ではなく、主要な要件として導入しようとしている企業が多くなってきています。
そこで、今回のコラムではビジネスUX導入方法論の研究資料をもとに、体系的なプロセスと導入手順、重要なアクティビティを紹介し、読者の皆さまに今後のシステム導入の参考にしていただきたいと考えています。
理論と経験の融合による シナジー効果を期待したUX導入方法
筆者が勤務するTOBESOFTは企業向け有線・無線のUI / UXプラットフォームの販売とUXコンサルティング事業を営む企業です。数年来のプロジェクト経験をふまえたノウハウをベースに独自の導入プロセスを持っています。
この導入プロセスは、理論的な側面と体系的なプロセスを実現するべく、2012年からソウル大学融合大学院UXラボとの協業で「TUM(TOBESOFT UX Method)」というビジネスUX方法論を完成させています。そのため、漠然とした理論的方法論でなく、より実践的な内容としてご紹介できると思います。
UX 導入方法論 : 全体のプロセス
全体のプロセスは、下記の4段階で構成されています。
- STEP1:Understanding(理解)
- STEP2:Research(調査)
- STEP3:Idea(アイデア)
- STEP4:View&IA(設計プロセス)
各段階では、実行する主要な業務のガイドラインが作成されています。さらに、段階別に整理されたHow to+成果物のテンプレートとビデオの3つで構成されています。
ビデオは初心者でも簡単に理解できるような構成になっています。文章量としては200ページ程度の基本的なドキュメントやプロジェクトの事例も記載されている実践的な内容です。