UIとUXとの違い、そしてビジネスUXとは何か?
突然ですが、皆さんはビジネスUXという言葉をご存じですか?
筆者が所属するトゥービーソフト社は韓国でトップシェアを持つUXソリューションプロバイダーです。3年前に日本に上陸後、日本を代表する大手企業を中心に業務システムでUX(ユーザー・エクスペリエンス)を実現してきました。
当社では、UX開発プラットフォーム「XPLATFORM」を開発・販売していますが、既に20,000社を超える法人で稼働するまでに至りました。さらに、昨年開催したビジネスUXカンファレンス2013では、460名もの申し込みを頂き、盛会にて終了することができました。
このように市場ではUXの注目度が向上し、ビジネスも本格的に動き始めたといえます。
そこで、日本のエンジニアの皆さまに情報システム部門の方にビジネスUXの概要、プロジェクトの運営方法、国内外の事例や検討のポイントなどをお伝えしたく、本コラムを連載させて頂くことになりました。ビジネスUXに興味のある方はぜひご覧ください。
なお、ビジネスUXの事例やドキュメントは以下のページでも公開していますので、併せてご参考ください。
→ ビジネスUXドキュメントセンター
UXの定義
ビジネスUXの話をする前に、まずはUXの話をしましょう。
近い概念は以前からありましたが、UXが明確に意識され始めたのはここ数年の間です。特にセンセーショナルだったのは、米アップル社のiPhoneが空前のヒット商品となり、その成功要因の1つが豊富なユーザー・エクスペリエンスの実現だったことです。
電車に乗れば小さな子がiPhoneやiPadを操作している風景を見るようになりました。子ども達が何の教育やガイダンスも受けず、マニュアルもなしにiPadを上手に使いこなしている姿を見て驚いた方も多いはずです。
図1は、現在流通しているタッチ式のスマートフォンです。幾つもの種類がありますが、どれも同じような形をしているため、外見だけではこれらの機器がどこのメーカーのものであるか、一目で見分けるのは難しいでしょう。
次に図2を見てください。スマートフォンの電源をオンにした初期画面です。各々のスマートフォンUIの特徴が一目で分かりますね。
特に、一番左側のiPhoneは会社のロゴがなくてもiPhoneと分かります。これは、画面、つまり、ユーザーインタフェース(UI)の違いからきています。ホームボタンを押して、アイコンを選択して指先で動かし、時には音声で作動命令を行い、多様なアプリケーションを活用し・感じ・体験する、これこそUXなのです。
どの製品を選ぶかは、個人的の主観的な判断で決定されるため、メーカーは顧客から選択されるためにより優れたUXを提供しなければなりません。既にUXは製品のアイデンティティ及び差別化要素を決定付ける重要な企業のコアパワー、またはマーケティングツールとして活用されています。
それでは、あらためてUIとUXの違いとは何でしょうか。
UIは、人と機械間の相互作業のための空間として定義できます。UIの目的はユーザーが効果的に機械を操作し、機械がユーザーの意図どおりに動作し、人にその結果をフィードバックできるようにすることです。一方でUXは「eXperience(体験)」です。つまり、UIは客観的な事実であり、UXは主観的な感じ方ということです。例えば、「自動車(客観的な事実)」と「運転(主観的な感情)」と同じ関係です。自動車がUIで運転がUXなのです。UXは主観的な感じ方なので、人によって違います。
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