Webカメラを使ったアプリを作ろう

2014年5月20日(火)
薬師寺 国安

ピクチャライブラリにアクセスし、CreateFolderAsyncメソッドで、ピクチャフォルダ—内に「CameraSample」というサブフォルダーを作成します。その際、CreationCollisionOption.OpenIfExistsと指定しておくと、同名フォルダーやファイルがある場合は、そのフォルダーやファイル名を返し、ない場合は新規に作成してくれます。

CreateFileAsyncメソッドで現在の年月日時間分秒.pngファイルを作成し、ファイルを表すメンバー変数myFileで参照しておきます。メンバー変数saveImageFileNameに、このpngファイル名を格納しておきます。

イメージストリームの書式を表す新しい、ImageEncodingPropertiesクラスのインスタンス、myImageEncodingPropertyオブジェクトを作成します。書式のサブタイプを表すSubtypeプロパティにpngを指定し、Widthに640、Heightに480と指定します。CapturePhotoToStorageFileAsyncメソッドで、ストレージファイルにフォトをキャプチャします。書式は以下の通りです。

CapturePhotoToStorageFileAsync(ImageEncodingProperties,IStorageFile)

コレクション変数myPictureFilesにGetFilesAsyncメソッドで、「CameraSample」フォルダー内の画像ファイルを取得して格納します。コレクション変数myPictureFilesが格納しているファイルの個数を、Countプロパティで取得して、メンバー変数Indexに格納しておきます。新しいBitmapImageクラスのインスタンスsaveBmpを作成します。SetSourceメソッドに

Await myPictureFiles(Index - 1).OpenReadAsync

と指定して、コレクション変数内のIndexに対応するファイルをOpenReadAsyncメソッドで開き、ソースイメージに指定します。Indexを-1しているのはコレクション変数myPictureFilesが格納しているファイルのインデックスが0から始まるためです。Image1のSourceプロパティにsaveBmpオブジェクトを指定します。これで、Webカメラから写した画像がImage1に表示されます。保存した旨のダイアログボックスを表示します。非同期処理で行われるため、メソッドの先頭にAsyncを追加します。

リスト9 「写真を撮る」アイコンがタップされた時の処理

    Private Async Sub shutterButton_Click(sender As Object, e As RoutedEventArgs) Handles shutterButton.Click
        Dim myFolder As StorageFolder = Windows.Storage.KnownFolders.PicturesLibrary
        Dim mySubFolder = Await myFolder.CreateFolderAsync("CameraSample", CreationCollisionOption.OpenIfExists)
        myFile = Await mySubFolder.CreateFileAsync(DateTime.Now.ToString("yyyy年MM月dd日HH時mm分ss秒") & ".png")
        saveImageFileName = DateTime.Now.ToString("yyyy年MM月dd日HH時mm分ss秒") & ".png"
        Dim myImageEncodingProperty As New ImageEncodingProperties
        myImageEncodingProperty.Subtype = "png"
        myImageEncodingProperty.Width = 640
        myImageEncodingProperty.Height = 480
        Await myMediaCapture.CapturePhotoToStorageFileAsync(myImageEncodingProperty, myFile)
        myPictureFiles = Await mySubFolder.GetFilesAsync()
        Index = myPictureFiles.Count
        saveBmp = New BitmapImage
        saveBmp.SetSource(Await myPictureFiles(Index - 1).OpenReadAsync)
        Image1.Source = saveBmp
        Dim message As New MessageDialog("ピクチャフォルダ—内のCameraSampleフォルダーに保存しました。")
        Await message.ShowAsync
    End Sub
End Class

以上でプログラムコードの解説は終わりです。さてここで実行してみようと言いたいのですが、まだこのままの状態で実行するとエラーが表示されます。このアプリでは、「画像ライブラリ」や「カメラ」にアクセスしているため、これらのアクセス許可をしておく必要があります。

各デバイスへのアクセス許可と画像ライブラリへのアクセス許可の設定

ソリューションエクスプローラー内の、Package.appxmanifestファイルをダブルクリックして開きます。「機能」タブ内の「機能:」にある、「マイク」、「画像ライブラリ」、「Webカメラ」にチェックを付けます(図4)。

「マイク」、「画像ライブラリ」、「Webカメラ」にチェックを付ける
図4 「マイク」、「画像ライブラリ」、「Webカメラ」にチェックを付ける

これで準備が整いました。実行してみましょう。最初にWebカメラの画像が表示され、[写真を撮る]アイコンをタップすると、画像を保存した旨のメッセージが表示されます。ピクチャライブラリのCameraSampleフォルダー見ると画像が保存されているのがわかります。

Webカメラからの画像が保存された
図5 Webカメラからの画像が保存された

今回はこれで終わりです。今回紹介したのはWebカメラからの画像を保存するための基本的な処理です。このコードをカスタマイズして、ピクチャライブラリ内の「CameraSample」フォルダー内に保存した画像の一覧を表示させたり、不要なファイルを削除したりする処理を追加するといいでしょう。これらの処理のサンプルは、Web上に筆者が書いた記事が紹介されているので、参考にしてぜひ挑戦してみてください。

なお、タブレットPCでのリアカメラとフロントカメラの切り替え方法も解説したかったのですが、解決できないバグに遭遇し、今回は断念しました。原因が究明できた折にはまた紹介したいと思います。

次回は「GridViewコントロールに画像を表示させてみよう」というタイトルでGridViewコントロールの使い方をメインに解説します。お楽しみに。

  • Webカメラからの画像を保存するためのプログラム

    『Windows ストア アプリ 100行プログラミング』 第4回のサンプルプログラムです。
薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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