「ソースオープン」から「オープンソース」へ… Go Azure 2015でマイクロソフトが見せた本気
マイクロソフトがパブリッククラウドの分野で先行するAmazonのクラウドサービスAWSを激しく追い上げている。
Windows Azureという名前からMicrosoft Azureという名前に変わった辺りからか、またはCEOが営業畑のスティーブ・バルマー氏からテクノロジーオタクのサティヤ・ナデラ氏に代わった辺りからか、これまでのPCやサーバー向けのソフトのライセンスやサービスを売る商売から明らかにクラウドやオープンソースソフトウェアの方向に舵を切った様子が見て取れる。これは実際には「いつものマイクロソフト」と言って良いだろう。マイクロソフトは先行する相手の背中を必死に追いかけて最後にはひっくり返すというDNAが生きているからだと著者は考える。
Lotus 1-2-3をひっくり返したMicrosoft Excel、Netscape Navigatorをひっくり返したInternet Explorerなど、どれも先行する相手の背中を見据えて最後には大逆転する、競馬に例えるなら第4コーナーを回ってから最後の直線で抜き返すあのやり方だ。パブリッククラウドサービスに関しても世界中でデータセンターを拡充させ価格を抑えて、先行するAWSを必死に追い上げていつか追い抜こうとする姿勢が見える。
開発コミュニティと企業ユーザーのミクスチャー
そんなAzureの勢いを具現化するように、2015年最初となる国内でのイベントとして「GoAzure 2015」が2015年1月16日に開催された。イベントのサブタイトルに「Microsoft Azure史上最大のコミュニティイベント」と題された通り、会場には開発コミュニティのメンバーとして登録した参加者と、エンタープライズと称して企業ユーザーとして参加している参加者が混ぜ合わされ、セッションもエンタープライズ向けの日本マイクロソフト社員が講演するセッションと今回のイベントの主催者、JAZUG(Japan Azure User Group)が企画、講演するセッションが存在し、さらにHackFestと称したゆるいトークショー的なセッションの他にもAzure上でWordPressをチューニングするハンズオンまで含まれ、色々な要素が詰め込まれたカンファレンスという印象であった。
いわゆる企業が製品やサービスを啓蒙するだけのカンファレンスではなく、コミュニティが参加できる「お祭り」という気分を持ってもらうようにマイクロソフトとユーザーグループが一生懸命になっているという意図が感じられた。
今回はキーノートセッションで語られた内容とリアルタイムデータ分析のセッション、マシンラーニングに関するセッション、.NETのオープンソース化に関するセッションについてレポートする。
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