Build 2016報告会 #tistudy201604開催レポート
Think IT 主催による月例勉強会がスタートしました。その名も「tistudy」です。
第一弾は「Build 2016報告会」。マイクロソフトが3月末にシリコンバレーで開いたイベントですね。その報告会でした。さっそく内容をレポートします。
ちなみに場所は神保町のインプレスセミナールームでした。
こんなところです。
10分で振り返るBuild 2016(Think IT編集長 鈴木教之)
まずは編集長の鈴木さんから、Build 2016について簡単な振り返りと未来予測がありました。
そもそも Buildとは、マイクロソフトの開発者向け大規模年次イベントです。その人気はすさまじく、今年はなんと1分でチケットが売り切れました。AndroidもiOSも革新が落ち着いているなか、Buildの発表が一番アグレッシブとも言われているそうです。
今年は HoloLens、Bot Framework などの色々な発表がありました。
「個人的には Bash on Windows とXamarin無償化の2つがインパクト大きいですね」
「Bash on Windows」はだいぶ話題になりましたが、Windows の上でなんと Bash が動くぞというあれですね。Xamarin無償化は、クロスプラットフォームでアプリが作れるけどすごい高いXamarinが、MSに買収されてなんとVisual Studioに無料でついてくるようになったというやつです。
そして未来予測について。Microsoftがどこに向かうかです。1つは「サーバー開発環境としての Linux on Windows」と予測していました。今回の Bash の発表は Windows の上で Linux が動くという流れの始まりで、いまはクライアントサイドの話ですが、これがサーバーに向かって行くんじゃないかという予測。
「もう1つは、アプリ開発環境としての Xamarin on Visual Studio on Windowsです」
iOSでも何でも、好きなプラットフォームのアプリが作れる開発環境としての Windows という流れになるんじゃないかという予測ですね。
鈴木さんの予測はなるほどと思いました。会場のみんなもうなずいていたので、なんかほんとにありそうな話なのかもしれません。
Build 2016参加レポート(クライアント関連)(日本マイクロソフト 高橋忍氏)
次は日本マイクロソフトのエバンジェリストである高橋さんによるBuild 2016の参加レポートです。
日本マイクロソフトの高橋さん
エバンジェリストってなんかかっこいいですよね! でも布教者っていう意味だからジャパネットみたいにすごい宣伝されるのかなと思ったんですが、ぜんぜんそんなことありませんでした。
高橋さん、まずはいきなり Windows 10のマップアプリをぐりぐり動かし始めました。
「はい、ここが会場のモスコーニ・センターです。」
なるほど、会場の場所を教えてくれていたんですね。確かに場所、重要。
「写真だとこうです。どっかで見たことあるでしょ? 実は AppleのWWDCとかGoogle I/Oとかも同じ会場なんです。」
確かに見たことあります。シリコンバレーに近くて条件のいい会場っていうと自動的にここになっちゃうんだそうです。そんなものなんですね。WWDCのときはでかいリンゴのマークが掲げられるので、アップルすごい会場持ってるなと思っちゃってました。
これが会場のようすです。Xbox とかの実機がいっぱいあって、その場で触ってコンパイルとかできるんだそうです。
「でもセッションの内容自体は、Channel 9 で数日後には動画で公開されるから、ぶっちゃけ日本にいても変わらない情報量が得られるんですよね。」
Channel 9っていうのは、マイクロソフトがやってる動画コミュニティサイトです。こういう、ぶっちゃけたことを言っちゃうのが面白いですよね。ジャパネットの高田社長だったらたぶん言わないと思う。
「これはHoloLensですね。医学生が脳の中のようすを一緒に見ているところを想定したデモです。今の学生は便利でいいですね。でも、実際にかけてみると意外に視野角が狭いので、あんまり大きな期待は持ちすぎないほうがいいですよ。」
まただ。ぶっちゃけトーク出ました。でもなんていうか、自分の本心なんだろうなというのが伝わってくる。本心を隠してセールストークしかしない人よりは全然信頼できますよね。たぶんそういうことなんだろうなと思いました。
Build 2016参加レポート(クラウド関連)(日本マイクロソフト 井上大輔氏)
日本マイクロソフトの井上さん
次は同じく日本マイクロソフトのエバンジェリストである井上さんによるレポート。主にクラウド関連です。
「Azure Functionsというのが発表されました。いろんなイベントをトリガーとして処理を行わせることができる。課金は処理を行った分だけ。どこのサーバーで走らせるみたいなことを意識する必要もありません。」
「ユースケースとしては、ストレージに画像がアップロードされたことをトリガーとしてサムネイルを作るとかがあります。」
会場のだれもが「AWS Lambdaみたいなやつね」と思っているけれど、誰もそうは言わない。井上さんも高橋さんみたいにぶっちゃければ面白いのになーと思っていたところ。
「Azureの利用数推移です。2015年に140万だったSQL Database数ですが……」
「2016年も140万でした。変わってない。だったら書くなよって話ですよね。」
これはウケてました。いいですね。井上さんもぶっちゃけます。これってあれですよね。調子がよかったころのフジテレビみたいです。自信があるからこそ、自分たちをおちょくる発言で笑いを取ることができる。いまのマイクロソフトの攻勢の一端が見える気がしました。
新サービス使ってみました大LT大会
次はLT(Lightning Talk)です。Build 2016で、たった10日ほど前(編注:報告会が実施されたのは4月11日)に発表された新サービスを実際に使ってみたという内容。聴衆からの投票で一番よかった発表にはなんと、de:code 2016 の参加チケットがプレゼントされます!
これすごいですよ。de:code は日本で実施される build 的なイベントですが、普通にチケットを買うと早期割引でも約7万円です。これがタダになる! いいなー。
参加者は5名でした。順に見て行きましょう。
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