VLANは、ネットワークを論理的に構成するための技術であり、たとえば1つの物理的なネットワークを論理的に分割する、物理的に異なるネットワークを同一のものとして構成する、といったことを可能にします。VLANトランキングとは、複数のVLANからのトラフィックが1つのリンクを通過できるようにする手法です。
それでは今回も、その例題から見ていきましょう。関連事項の理解ができていなければ、この記事の末尾で紹介する書籍を参照するなどしてください。その後で例題を実際に解いてから、解説を読むようにしましょう。
■DTP(Dynamic Trunking Protocol)
VLANトランキングの設定方法ついて例題を使用して説明します。
※『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.233、p.234より抜粋。
この例題は、インタフェースに自動でトランキングするときの設定を問うものです。
●DTP(Dynamic Trunking Protocol)
DTPとはCisco独自のプロトコルであり、自動でトランキングの状態をネゴシエーションするためのプロトコルです。トランクポートでは、さまざまなインタフェースのモードをサポートしています。たとえば、トランクポートに設定したFastEthernet 0/1のポート状態を表示した例は、次のとおりです。
●インタフェースモード
インタフェースモードには、次のようなものがあります。
・trunk…対向に関わらずネゴシエーションを行います(trunkがonの状態)。
・dynamic desirable…対向がtrunk、desirable、autoの場合にトランクになります。
・dynamic auto…対向がtrunk、desirableのみトランクになります。
設定は、次のコマンドで行います。
Switch(config)#interface インタフェースID
Switch(config-if)#switchport mode trunk…onの状態
Switch(config-if)#switchport mode dynamic desirable…desirableの状態
Switch(config-if)#switchport mode dynamic auto…autoの状態
この例題の場合、対向のスイッチ1ではdynamic autoに設定されています。ネゴシエーションするためには、スイッチ2はtrunkまたはdynamic desirableに設定する必要があります。以上のことから、この例題の解答はaとcになります。次の表示結果は例題の設定を行ったものです。