米GoogleがCloud Foundry Foundationに参加、ほか

2016年12月22日(木)
吉田 行男
OSS界隈に造詣が深い吉田行男氏が、この一週間に起きたOSS業界の注目すべきトピックをセレクトして、お届けします。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今年は昨年よりインフルエンザの流行が早くなっているようです。インフルエンザを予防するためには、「手洗い」「マスク着用」「咳エチケット」が必要だそうです。同様にソフトウェアも、脆弱性対策を日ごろから怠りなく実行することで、セキュリティ事故を防ぐことができます。

今週もOSSに関する注目すべきトピックを取り上げましたので、ゆっくりとご覧下さい。

サイオスとOSTech、OSSを利用したWebシステム構築ビジネスを提供

サイオステクノロジー(株)と(株)アウトソーシングテクノロジーは12月20日、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」をサービス基盤とし、オープンソースのWebアプリケーションフレームワーク「Drupal」とそのほか各種OSSを利用したWebシステムの設計・構築・運用・保守の一連の業務を「Drupal on Azure」としてワンストップで提供・支援するサービスを共同で展開すると発表しました。DrupalはWebサイトのコンテンツ作成、表示方法のカスタマイズ、管理作業の自動化、投稿者の管理などを可能とするOSSのコンテンツ管理システム(CMS)で、主に多国籍企業、政府・学術機関などが運用する大規模かつ、多言語対応が必要なWebサイトで導入されています。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/12/20/314/

米GoogleがCloud Foundry Foundationに参加

米国Cloud Foundry Foundationは12月15日、米国Google社が同Foundationのメンバーとなったことを発表しました。Google社と同Foundationは、これまでもいくつかの協業を積み重ねてきています。例えば、Google Cloud Platform上でCloud Foundryを稼働するための統合作業が挙げられます。また最近では、Cloud Foundryが外部サービスとの連携を行うためのAPIであるOpen Service Broker APIをさらにオープンなものにし、Cloud Foundry、Kubernetes、OpenShiftの3つのプラットフォームの連携を進めていくプロジェクトも発表されています。同プロジェクトには、今回参加したGoogle社の他にも、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)の主要メンバーが参加しています。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1612/19/news057.html

米国Red Hat社、OpenStack NewtonベースのIaaSソリューション「Red Hat OpenStack Platform 10」を発表

米国Red Hat社は12月15日、OpenStack Newtonベースの「Red Hat OpenStack Platform 10」を発表しました。「Red Hat OpenStack Platform 10」は、9月に公開されたバージョン9に続く最新版で、10月にOpenStack Foundationが公開した最新リリース「Newton」を採用しました。システム全体での拡張性、容易なインフラ管理、オーケストレーションの改善、ネットワークの性能、プラットフォームの安全性などが強化点になります。また、ソフトウェアライフサイクルとしてデュアルサポートライフサイクルモデルを導入しました。これは3年のライフサイクルに加えて、2年追加でELS(延長ライフサイクル)サポートを追加購入できるもので、合計5年間のサポートが受けることができます。

(参照記事:https://mag.osdn.jp/16/12/20/163000

デージーネット、OSSのWebメール「Roundcube」の商用サポートを開始

(株)デージーネットは12月20日、日本語対応を強化した「Roundcube」の商用サポートを開始すると発表しました。「Roundcube」は、オープンソースのWebメールソフトウェアで、最大の特徴は機能拡張が容易である点です。インストール初期段階では、メールソフトとしての最小限の機能のみを備えますが、利用する組織に合わせて機能を拡張することができ、その組織独自のWebメールシステムを実現可能です。今回の商用サポートに伴い、デージーネットでは、「Roundcube」の利用方法やトラブルシューティングに関するサポート、具体的には「Roundcube」の日本語マニュアル、日本語対応強化のパッチを適用したバイナリパッケージなどを提供します。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/12/20/395/

「Ruby biz Grand prix 2016」、第2回大賞はMisokaとラクスルが受賞

12月15日、「Ruby biz Grand prix 2016」の授賞式が開催され、グランプリに「Misoca」と「ラクスル」が選出されました。今回で第2回目を迎える「Ruby biz Grand prix 2016」は、Rubyを活用してビジネスの領域で新たな価値を創造し、イノーべションを起こしたサービスや商品を表彰する取り組みで、今回は国内外から29事例がノミネートされました。そして事業の成長性と持続性、Ruby採用理由やRubyエンジニアの開発プロセスでの役割、事業の社会的な影響度を基準に、各賞が選出されました。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/12/15/456/

編集後記

今回が、今年最後の「週刊OSSウォッチ」になります。今年もご愛読いただきありがとうございました。今年もさまざまなニュースをご紹介してきました。来年も気になるニュースを皆様にご紹介することで、OSSに関連する動向を少しでもお伝えできればと思っています。来年もよろしくお願いいたします。

イベントのご案内
OSSウォッチ100回記念イベント(12/22)開催せまる!

2014年11月7日から連載が始まった「週刊OSSウォッチ」ですが、今年ついに連載100回を数えました!そこで、著者の吉田行男氏をお呼びして今年1年のOSS業界を総括するイベントを開催します。

緊急開催! OSSウォッチ特別編「吉田行男と振り返る2016年のOSS業界」

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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