Webサービスデザインの進め方 2

フィーチャー&ファンクションを共有・評価する

フィーチャー&ファンクションを共有・評価する

 実際のプロジェクトにおいては、頭の引き出しに入れておいたり、リスト化していた数多くのフィーチャー&ファンクションをどのように使っていったらよいでしょうか。

 サービスを具体化するプロセスにおいて、チームでいろんな役割を持ったメンバーとアイデアを出して詰めていきます。もちろんディレクターが企画を考えて、それを元にエンジニアやデザイナー交えてチームで議論することもあるでしょう。そうした別々の役割を持った複数メンバーで議論する場合、デザイナーはデザイン的な視点で、エンジニアは技術の視点での発想でものを見ている場合が多いでしょう。もちろんいろいろな視点でブレストすることは非常によいことですが、それぞれの得意分野に偏った議論になってしまいがちです。

 そうした場合に重要なのは、実際の具体物を見ながら議論するということです。

 例えば、あなたがこれまでためてきたフィーチャー&ファンクションの引き出しから、テーマに合うものをいくつか選んで、プロジェクターなどに写しながら、サービスとしての観点で、ユーザーからの観点でフィーチャー&ファンクションをチームで共有しながら、発想を組み合わせていくという方法です。人間は、実際の具体物を見ながらだと、脳を刺激して新しいアイデアが発想しやすいので、何もなしでブレストするよりは実際に見ながら議論を進めるとよいでしょう。

 その際の検討視点としては、どんなユーザーがなぜこれを使うのか、どんなベネフィットがあるのか、どこがポイントなのかなどについて、きちんと議論すると、対象ユーザーやテーマなどの前提条件が違っていたとしても応用して考えることができます。

 同じ意味では、実際にフィーチャー&ファンクションのプロトタイプを作ってしまうというのも具体物を共有しながらブレストするという意味ではよいアイデアです。

 実際に筆者も現在Webサービスの制作にたずさわっていて、それが出来上がるにつれ、「これも入れたい」「あれもやりたい」とどんどんイメージが広がっていきます。これは、当初想定していたものを超えて大きく広がっていくのです。プロトタイプにはいろいろレベルがありますので、手書きの構成か、デザインまでするか、コーディングまでするか、プログラムも作ってみるなどいろいろなレベルはありますので、時間や予算や人的なリソースなどの観点で検討してみてください。

情報の検索と表示

 それでは具体的に実際のフィーチャー&ファンクションを1つずつ見ていきましょう。ランダムに取り上げてるよりもテーマを分けた方が分かりやすいと思いますので、いくつか切り口を設けました。大きく分けて次の5つになります(図2)。

 それぞれ、現在そして今後のWebにおけるサービスを考えるうえでは欠かせないテーマですので、いかに世界のサービスがそれぞれの部分について工夫しているのか、どのように取り入れているのか、チェックしてみてください。

 情報の検索と表示には、テーマとして大きく分けて2つあります。それは、「検索&情報のブラウズの利便性や楽しさアップ」とその結果である「情報表示の工夫」です。

 ご存じのとおり、Webには大量の情報があふれ、しかも日々増殖し続けています。こうした情報プールの中からいかにユーザーが自分のほしい情報を探し当てるかというテーマは重要度が下がることは決してないと思います。それは一般的なWebにおける検索だけでなくサイト内における情報の検索でも同じことです。

 情報は必ず増えていくものですから、いかにWebサイト内でユーザーが情報を探せるかについても考えなくてはいけません。検索には、ユーザーが探すという行為とその結果を得るという2つに分けられます。いかに探してもらい、いかに結果を見せるか、その2つの視点でどうやって最高の検索体験を提供することができるかを考えてみましょう。

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