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最新IT技術とBI

2010年3月23日(火)
平井 明夫

OSSとBI

OSS(オープン・ソース・ソフトウエア)を技術と呼ぶことには、少し違和感があるかも知れません。しかし、近年のIT技術およびITアーキテクチャを語る上で、無視することのできないトレンドの1つであることは間違いありません。ここでは、OSSとBIの関連について解説します。

OSSは、Linuxに代表されるOS分野や、Tomcatに代表されるアプリケーション・サーバー分野などが、Web型3層アーキテクチャの普及とともに注目されてきました。本来のOSSは、コミュニティと呼ばれるボランティアの開発集団が継続的に品質および機能の向上を行うことで、だれでも最新の技術を(基本的に)無償で入手できることが最大のメリットとされてきました。

近年では、これらのメリットの一部を犠牲にしても、有償で入手する代わりに商用製品と同様の技術サポートが得られるコマーシャルOSSというものが登場し、1つのマーケットを形成するに至っています。このコマーシャルOSSは、有償ではあるものの、一般の商用製品に比べればはるかに安く購入可能で、かつサポートを得られるということが最大のメリットとされています。

従って、ソフトウエア製品の中でも、OSやアプリケーション・サーバーといった、汎用性が高くマーケットが広い製品分野で、特にシェアを広げています。そういった観点からすると、BIの分野は、用途が限定的でマーケットも狭いため、これまではさほど大きな注目を集めては来ませんでした。

しかし、大企業におけるBIのユーザーの増大と、中堅以下の企業でのBIに対するニーズの増大に伴って、以前よりはるかにコスト面でのOSSの優位性が高まってきてきます。この流れを受けて、OSSの世界でも、第2回で紹介したような代表的なBIスイート製品と比べても遜色(そんしょく)のない機能を持ったBIスイート製品が登場しています。

2010年3月時点で、日本で販売・サポートされている主なコマーシャルOSSのBIスイート製品は図2のとおりです。

オンメモリDBとBI

オンメモリDB(インメモリDBとも呼ばれる)とは、読んで字のごとくですが、データベース自体をメモリ上に常駐させて処理することで、更新や検索の処理速度を飛躍的に向上させる技術です。ここ数年は、主に金融機関において高速な更新処理を伴うアプリケーションが対象となっていました。しかし、最近ではBIの分野でも、このオンメモリDB技術を利用した製品が出始めました。

その最初となったのが、「QlikView」です。QlikViewはスウェーデンのQlikTech Internationalが開発したオンメモリDB製品で、高速なOLAP分析操作と、独自の分析インタフェースが特徴の製品です。QlikViewの場合、分析のソースとなるデータを読み込む際に、多次元データベースのディメンションとメジャーにあたる項目を指定してデータベースを作成します。

データベースは独自の形式で作成され、サーバー上のメモリに展開されます。この時、データ圧縮も同時に行われます。高速なメモリ・アクセスとデータ圧縮の双方の効果により、OLAP分析操作の性能が向上します。従って、この製品は、オンメモリ型の多次元データベースともいえるアーキテクチャを持っていることになります。

次ページでは、オンメモリDBとBIに関するそのほかの話題と、BIとデータ・マイニングの関係について解説します。

株式会社アイ・ティ・アール リサーチ・フェロー

外資系ソフトウェアベンダーやITコンサルティング企業において、20年以上にわたり、BIツール製品のマーケティング、BIシステムの導入支援に携わる。2013年よりITRのリサーチ・フェローとして活動。現在は、事業企画コンサルタントとしてIT企業の新規事業立上げ、事業再編を支援するかたわら、ITRアカデミーにおいて、データ分析スキルコースの講師を務めるなど、データ分析を中心としたテーマでの講演・執筆活動を行っている。

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