「採用できない」「育成できない」専門職人材を上手に見つける方法
担当者の突然の退職で、ポジションに穴が開いた…
こうした経験をお持ちの人事の方も少なくないのではないだろうか。1,2人の欠員を埋めるために大手の紹介業に登録すれば、たちまち数百名単位での紹介がきてしまう。中小企業ならば、社内で専門スキルがある人をすぐに見つけてくるのも簡単ではないだろう。かと言って、1から教育するほどの余裕もない…
こうした多くの悩みは、実はたった1つの前提を見直すだけでたちまち解決できる可能性がある。本稿では、経理や広報・営業など、各種専門職をピンポイントで見つける新たな方法をご紹介する。
専門職人材の不足を補うのは簡単ではない
多くの企業が頭を悩ませる人材不足。帝国データバンクの調査※1によると、2017年7月時点で「人材が不足している」と回答した企業は全体の45.4%に上った。前年同月比で7.5ポイント上昇していることからも、人材不足に悩む企業が急速に増えていることがうかがえる。
※1:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2017年7月)」
さらに細かく見ると、募集人数の多い営業職や専門的なスキルが必要な職種(技術職など)の不足が顕著であることが分かる。
出典:エン 人事のミカタ「『企業の人材不足』実態調査2016」
専門職を中心とした人材不足に対して、企業は必ずしも効果的に対策出来ていないようである。エン・ジャパンの調査によると、人材不足に悩む企業のうち、79%が「正社員の採用を行う」と回答している。ただでさえ売り手市場と言われる今日において、競合他社との戦いに勝ち抜き正社員の採用に成功するのがかなり難しいということは、想像にかたくないだろう。
出典:エン 人事のミカタ「『企業の人材不足』実態調査2016」
以上のような企業が抱える課題を背景に、昨今「専門職を短時間勤務で紹介するサービス」が注目を集めている。人材派遣の中でも、経理や人事など特定の分野に特化した登録者を企業に紹介するサービスだ。短時間勤務と聞くと、業務難易度が低い仕事を連想する方も多いかもしれない。しかし、反対に業務難易度が高い業務をフルタイムの人だけに任せる必然性も実のところないのだ。
育児や介護などを理由にフルタイムで働けない方の中には、かつて正社員としてバリバリ仕事をこなし、専門スキルを身に着けている人も数多く存在する。あるサービスの登録者には、現場経験が10年以上もある方、役職経験者などその道の”プロ”と呼ぶべき人材も登録しているそうだ。
「正社員市場」から漏れた経験豊富な人材に、短時間ながら業務難易度が高い職務を任せる。「専門職×時短」が企業の人材不足を解消する救世主になるかもしれない。
限られた時間で成果を出す専門人材を紹介する「ZIP WORK」
こうした「専門人材を時短で紹介する」サービスを提供する企業の1つがリクルートスタッフィングだ。「スキルや知識を圧縮し、持ち運ぶ」という意味が込められた人材紹介サービス「ZIP WORK」は当初、子育てと仕事の両立を支援する社内プロジェクト「iction!」の一環として始まった。社内でのテスト期間を経て、法人向けのサービスとしてスタートした形だ。
時間的な制約がありながらも専門性を活かして働きたい人が多数登録し、人事や経理など10を超える専門分野で”ZIP WORKER”として働いている。企業は必要な職種を相談すれば、専門スキルを有する人材がピンポイントで紹介される仕組みだ。経験者のみが紹介される仕組みなので、人選にかかる手間も少なくて済む。
介護を理由にZIP WORKに登録した40代の女性は、法務・内部統制のスタッフとして週4 10:00-18:00で勤務している。約8年におよぶ法務経験が買われ、時短ながら社内の法務案件やコンプライアンス案件など、重要な仕事を任されている。
ZIP WORKには、他にも人事部長経験者や大手メーカーで13年勤務した主婦などが在籍している。短時間勤務ながらも正社員に劣らないパフォーマンスを発揮する時短ワーカーのニーズは今後さらに伸びていくであろうことは言うまでもない。
まとめ
雇用が流動化している今日では、「正社員=優秀、スキルがある」という方程式は成り立たなくなってきている。こうしたご時世では、欠員の補充をわざわざ正社員採用に限定することは合理性がないと言わざるを得ない。
むしろ、時短という制約がありながらも、過去の経験を鑑みると即戦力として貢献してくれる人材に働いてもらう方がよっぽど理にかなっていると言える。
本稿を通じて、時短で働く専門人材に興味を持った方はぜひ、各社のサービスをチェックしてみてほしい。
ReadWrite編集部
[原文4]
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