自分の島を創ろう!
OpenSimの動作モード
OpenSimはスタンドアローンモードとグリッドモードの2つの動作モードがあります。
スタンドアローンモードではOpenSimサーバーを1つのデスクトップアプリケーションのように起動でき、煩雑な設定は一切必要なく、簡単に仮想世界サービスを立ち上げることができます。前述の「クイックスタート」で紹介したのはこのスタンドアローンモードです。
OpenSimはセカンドライフと共通なデータフォーマットを使っているので、現在多くのデザイナーたちが島を制作する時、OpenSimのスタンドアローンモードで試作品のプレビューを行っています。スタンドアローンモードは、その特性を生かして、3Dプレゼンテーションツールとしての利用や、病院、遊園地の案内などに使うこともできるでしょう。
しかし、スタンドアローンモードは設定が簡単ですが、拡張性がないため、複数のOpenSimサーバーの相互接続や大規模な仮想世界サービスの構築には向いていません。そういった要望に応えるのはグリッドモードです。
グリッドモードはセカンドライフのような仮想世界サービスを構築するための動作モードです。グリッドモードでは、離れた場所にあるOpenSimサーバー同士を相互接続させて、複数の島からなる巨大仮想空間をシームレスに構築できます。これにより、島がそれぞれ別のOpenSimサーバーにあっても、隣の島に移動したり、離れた島にテレポートをしたりすることができます。
こうしたセカンドライフのような大きな仮想世界をグリッドサービスと呼びます。以降でOpenSimをグリッドモードで起動し、自分の島を大きなグリッドサービスの一部分として公開する方法を紹介します。
グリッドモード設定
ここでは、OSGrid(http://osgrid.org/)に自分の島を登録して、ログインする方法を説明します。島の登録は無料で行えますが、OpenSimの稼働マシンに外部からアクセス可能なグローバルIPアドレスが必要です。
OpenSimの設定ファイルは、bin/OpenSim.iniです。OpenSim.iniが見つからない場合、同じディレクトリにあるOpenSim.ini.exampleをコピーして作成してください。OpenSimをグリッドモードに切り替えるにはOpenSim.iniに以下の変更が必要です。
まず、Startupセクションでは、gridmodeの値をデフォルトのfalseからtrueに設定します。またasset_databaseの値をデフォルトのlocalからgridに変更します。
gridmode = true
asset_database = "grid"
続いて、Networkセクションでは、サーバー情報をOSGridのサービス情報に書き換えます。
grid_serverの値を以下のように変更します。
grid_server_url = "http://osgrid.org:8001"
grid_send_key = "1234"
grid_recv_key = "1234"
user_serverの値を以下のように変更します。
user_server_url = "http://osgrid.org:8002"
user_send_key = "1234"
user_recv_key = "1234"
asset_serverの値を以下のように変更します。
asset_server_url = "http://osgrid.org:8003"
inventory_serverの値を以下のように変更します。
inventory_server_url = "http://osgrid.org:8004"
次はOSGridへの登録方法を説明します。