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統合プロジェクト管理ツールを比較!

2008年10月28日(火)
北岸 隆史

統合管理ツールとしてのポイント、課題と期待

 プロジェクトや組織のニーズに対応するdotProjectおよび]project-open[の機能を図3にまとめました。

 2つのツールとも、ターゲットとして複数のプロジェクトの管理を想定しており、また、プロジェクト実行部門以外のユーザー向けの機能も提供しています。ツールの効果を最大限に発揮させるには、ほかの部門も含めて利用が定着するかどうかがカギとなってきます。大きな組織では、部分的な導入から始めて足場がためをしていくといったことが必要でしょう。

 もちろん導入にあたっては、運用方式をよく検討し、それによってどんな問題を回避/予防できるかを明確にする必要があります。筆者の頭には「コンピュータ、ソフトがなければただの箱」という'80年代初頭にはやったフレーズが浮かびます。いうならば「管理ツール、運用抜きではただのプログラム」です。

 将棋に「大局観」という言葉があります。局所的な戦いの勝ち負けよりも、全体の情勢や流れを意識して判断することやその能力、という意味ですが、企業の運営においても「大局観」がないと、目先のプロジェクトの課題解決にとらわれやすくなります。

 プロジェクトは企業全体の活動のうちの1つにすぎない、ととらえ、経営陣が全社的な視点で方針を考え管理していくための情報基盤として管理ツールが使われるようになると、プロジェクトやメンバーだけでなく、組織全体にとっても大きなメリットになるでしょう。

今後の方向性

 本連載では、いくつかのツールの機能紹介とプロジェクトでの使いどころ、ツールの課題などについて紹介しました。以下にツールの導入における注意点をまとめます。

・プロジェクトや組織に適したツールを選ぶこと
・使う場面を想定した人の動きを考えること
・目的と手段を取り違えないこと

 「正しいツール」というものは存在せず、「適切なツール」を選択、導入してプロジェクト成功に貢献するという考え方が重要です。さて、今後のOSSプロジェクト管理ツールの方向性として、筆者が期待する点として以下の2点があります。

・管理情報の標準化と相互連携
・インストール、セットアップの簡易化

 現状、個々のツールがそれぞれの想定するオブジェクトモデルに基づいて、管理情報をデータとして格納しています。一部、商用ツールやほかのツールとの入出力・連携機能を実現しているものもありますが、プロジェクト管理あるいは課題管理といった切り口でデータやプロトコルを標準化して相互に利用できるようになると、ツールの選択肢もひろがり現場のプロジェクトへの適用性が高まるでしょう。

 もう1点、セットアップや拡張時のバージョン依存確認など、なるべく利用者側に負担を掛けないような仕組みが標準的になるとよいと思います。例えば、本連載で紹介した管理ツールはいずれも組織内での構築・運用が想定されています。しかし、ハードウエア投資や運用コストを考えた場合に、機能をSaaS(Software as a Service)として導入するというのも有力な選択肢です。

 ちなみに、第3回(http://www.thinkit.co.jp/article/138/3/)で紹介したOpenProjについては「Project-ON-Demand(http://openproj.org/pod)」というサービスが有償で提供されていますし、今後提供が検討されているツールもあります。

 プロジェクトや組織の条件に合えば、以下のようなGoogleのサービスをプロジェクト管理の機能として活用することも検討できるでしょう。

・プロジェクトのポータル、情報共有サイトとして:Google Sites
・カレンダー、スケジュール管理ツールとして:Google Calendar
・ディスカッションツールとして:Google Groups

 オープンソースの開発プロジェクトであれば、SourceForgeと同様のソースコード管理・課題トラッキングなどのサービスを提供する「プロジェクト ホスティング(http://code.google.com/hosting/)」がGoogle Codeより利用できます。

 最後になりましたが、オープンソース管理ツールの開発、メンテナンスにあたっておられる方々や、個人やコミュニティでサポートされている多くの方々に深く敬意を表します。限られた紙面の都合上、かなり駆け足になりましたが、管理ツールの選択と導入の際に、多少でも本連載の情報が参考になれば幸いです。

 なお、本稿の執筆にあたっては、以下を参考にしています。

「dotProject公式サイト」(http://www.dotproject.net/)(アクセス:2008/9)

「]project-open[ 公式サイト」(http://www.project-open.org/)(アクセス:2008/9)

スプリームシステムコンサルティング株式会社 。シニアコンサルタント。プロジェクトのトラブル予防、エンジニアの生活向上のための活動として、UML、オブジェクト指向技術、各種メソドロジなどの活用を現場で支援。近年は、全体視点からの計画・段取りや人間系のコントロールが重要・不可欠との認識から、プロジェクトマネジメント体系の現場への適用を推進。PMAJ会員、米PMI会員。PMP。http://www.supreme-system.com

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