Boxが年次カンファレンスBowWorksでパートナーとの連携を強調
顧客との対談がメインの2日目
カンファレンスの2日目は、テクニカルな話題は一切なく、ITを使って社会問題を解決するための支援を行う団体NetHope、ライドシェアのUber、動物の臨床検査などのための製品を開発するIDEXX、小規模事業者向けの会計ソフトウェア及びサービスのIntuitなどのゲストを招き、BoxのChief Customer OfficerであるJon Herstein氏と対談するという演出となった。
その中で大型犬を伴ってステージに上がったIDEXXのCIOであるKen Grady氏のセッションは、会場からため息と笑いが絶えない時間となった。アメリカ人の犬好きが、ここでは良い方に現れた瞬間となった。
また最後にはMGM、NBA、国務省のCIOやCTOがゲストとして登壇し、パネルディスカッションを行う演出となった。その中で国務省のCIOであるKaren Wrege氏は「私の仕事はオフィスにあるクソッタレな紙の書類をなくすことよ(Get rid of fucking papers)」とくだけた調子で自己紹介を行い、会場からは大喝采を浴びるという一面もあった。
内容はITやソフトウェアそのものというよりも、仕事の改革の方法などについて意見を交わすもので、いわゆるテクニカルなソフトウェアカンファレンスとはだいぶ趣の異なるものとなった。そもそもカンファレンスの参加者が、プログラムをガンガン書くエンジニアというよりも、管理部門や社内のセキュリティなどを担っているアプリケーションのユーザー層に近い人達がターゲットであろうことを考えると、テクニカルに偏らない内容に設定したことは成功だろう。
展示ブースのようす
最後に、カンファレンスではおなじみの展示ブースを紹介したい。
Box自身の展示ブースは1箇所にまとめるのではなく、その訴求内容によってそれぞれのコーナーを持つ形で設営されていた。
展示会場の中央にはミニシアター形式のプレゼンテーションを行える場所が用意されており、参加しているパートナーが時間割でここでデモやプレゼンテーションを行っていた。この写真を撮った時は、AT&Tのスタッフがセキュリティに関するソリューションを解説していた。
Moscone Westというやや小ぶりな会場の1階を使って設定された展示会場だが、面積に対して出展社が少なかったためか、非常に空間的に余裕のある展示となり、見ながら歩き回るには快適だった。
今回のBoxWorksは、Box以外のSaaSアプリケーションとの連携を強みとして、エンタープライズにユーザーを拡大したいという意図がよく見えるものとなった。AdobeとのPDFを軸にした連携についても、2019年を目標に製品として展開するという発表があった。IBM、Adobeといった大手との連携が、具体的にどのくらい日本でも浸透していくのか、注目したい。
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