AS3.0用のライブラリを活用してみよう!
ライブラリを活用して効率よくイベント処理
AS3.0で何かしらのFlash開発をされたことのある方なら、よくおわかりだと思いますが、1つのFlash開発をする際に、addEventListenerやremoveEventListenerをうんざりするほど何度も記述しているのではないかと思います。
ActionScript Thread Library 1.0(そうめん)(以下、Thread)は、複雑で冗長になりがちなイベント処理や非同期処理、リアルタイム処理をわかりやすくスマートに記述することができます。
簡単に言ってしまえばThreadライブラリを活用すれば、addEventListenerをまったく記述しなくても、1つの作品を作ることができます。さらに、Threadライブラリを活用する最大のメリットは、ある一定のパターンの記述方法で、順序だててプログラミングしていけるので、とてもシンプルで直感的なコーディングを可能にします。
それでは、サンプルを用いて紹介していきます。今回のサンプルは今回紹介した「TweenLite」「FLiNT」「WOW-Engine」のサンプルのキャプチャー画像を読み込んで、表示させるだけの単純なサンプルです。これを通常の方法であるイベントリスナーを用いたものと、Threadライブラリを用いたもので比較していきたいと思います。
では、「Thread - Spark project(http://www.libspark.org/wiki/Thread)」からThreadのソースをダウンロードしてください。そしてこれまでと同様にクラスパスを通します。
まずは、先ほどダウンロードしたサンプルの「04Thread → Event」フォルダ内にある「event_sample.fla」とドキュメントクラスに設定している「EventSample.as」、それから「Loading.as」と「ProgressBar.as」を参照ください。
若干、イベントリスナーの冗長性を強調した記述にしていますが、基本的には、このようなプログラミング記述になると思います。addEventListenerとremoveEventListenerを繰り返し、ローディング処理を進めていくという、どうしても冗長的になってしまう一例です。
それに対して、「04Thread → Thread」フォルダ内にある「thread_sample.fla」とドキュメントクラスに設定している「ThreadSample.as」、それから「MainThread.as」と「ProgressBarThread.as」を参照してみてください。詳しい解説は「04Thread → Thread」フォルダ内の「Thread解説.txt」を参照ください。
イベントリスナーを用いた方法と比べるとかなり記述もスッキリしていると思いますし、start→join→run→nextといった一定のパターンで順序だててシンプルにプログラミングしていけるのが、おわかりになるかと思います。Threadに関して、より詳しく理解したいという方は「ActionScript Thread Library 1.0 (そうめん) ドキュメント(http://www.libspark.org/htdocs/as3/thread-files/document/)」「ActionScript Thread Library 1.0 (そうめん) ASDoc(http://www.libspark.org/htdocs/as3/thread/)」を参照ください。
まとめ
今回は駆け足でTweenLite、FLiNT、WOW-Engine、Threadを紹介しました。もし興味 をお持ちの方、もっと深く理解してみたいという方は、ライブラリの公式サイトやFlash制作者のBlogの記事等を参照の上、研究してみてください。
今回紹介したライブラリ以外にも3Dエンジン、物理エンジン、トゥイーンエンジン、グラフィック系、オブジェクト指向フレームワークなどなど、多種多様 なオープンソースライブラリが公開されています。
また、Flash/ActionScript開発のためのオープンソースコミュニティー「Spark project(http://www.libspark.org/)」は、日本語で情報が公 開されており、とてもわかりやすいと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
それでは、ライブラリを活用して、ちょっぴり楽してより魅力的な作品を制作していただけたらと思います。
「AS3.0用のライブラリを活用してみよう!」サンプルプログラム