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開発者向けクラウドデータと分析マーケットプレースを発表したIBM

2016年2月8日(月)
ReadWrite Japan
IBMが提供するクラウドデータサービスとは

IBMは25種類以上にもなる同社のクラウドデータサービスが、開発者およびデータサイエンティスト達に使えるようになると発表した。これによりデータへのアクセスから検証、さらにはアプリの開発、展開までをワンストップで行えるようになるという。

開発者たちにとってWebおよびモバイルアプリの開発・展開・管理の助けになるだけでなく、データサイエンティスト達にとってもクラウドのアナリティクスおよびデータを使って隠れたトレンドの発掘を行うことが出来るということだ。

営利企業がオープンソース(あるいは少なくともそのコンポーネント)を受け入れている昨今の流れの中、このハイブリッドクラウドサービスは複数のクラウドプロバイダにまたがった展開が可能であり、オープンソースのテクノロジ、エコシステム、アーキテクチャに根差し、異なるサービス間でデータを簡単に融通できるものだ。

この新しいIBMのクラウドサービスに含まれるものとは以下になる

・IBM Compose Enterprise:

モダンなWebスケールアプリを開発するためのプラットフォームであり、ビジネスにすぐ使えるオープンソースDBを、開発者が自身のクラウドサーバにあっという間にデプロイできる事から、迅速な開発が可能になる。

・IBM Graph:

Apache TinkerPop上で構築されるものとしては初となる完全に管理されたグラフDBであり、開発者がビジネスアプリを拡張するためのリアルタイムサジェスチョン、不正検知、IoT、ネットワーク解析といった一連の機能が用意されている。

・IBM Predictive Analytics:

開発者が幅広いライブラリから自分のマシンラーニングモデルを簡単に作り上げ、アプリに組み込むことを可能にするサービスであり、特定の製品のユースケース予測をデータサイエンティストのヘルプなしで提供できるようになる。

・IBM Analytics Exchange:

150以上のパブリックで利用可能なデータセットカタログを含んだオープンデータエクスチェンジであり、アナリティクスでの利用の他にアプリケーションの用途でも使うことが出来る。

IBMのいうオープンアプローチとは、データチームなら誰でも好きな時にサービスを足したり引いたり出来、短期及び長期のビジネスニーズに適合できるもののことをいう。開発者たちはIBM Cloud Data Serviceからオープンかつ自由にサービスに対しデータを入力し、展開を行い、取り出すことが出来る。

アナリティクスプラットフォームおよびクラウドデータサービスのジェネラルマネージャDerek Schoettleはクラウド開発プラットフォームのBluemix、国勢調査のデータも入れて150以上のパブリックデータソースレポジトリーのAnalytics Exchangeを含むこのIBMのクラウドデータサービスは、データ・アナリティクスサービスにおける”ここですべてが揃うところ”になると考えている。

彼はこのクラウドデータサービスで得をする主な層は、IT事業部の助けをかりない民間のアナリストだと主張する。IBMがデータ分析を職場にもたらすビジネスソリューションに前向きなのは明らかだ。

予想に反さず、IBMは人工知能についても諦めておらず、Apache Sparkでの補足的なサービスとしてPredictive Analyticsをリリースしてきた。これによりアプリ開発者たちがユースケースをもとに自分のマシンラーニングモデルを楽に作る事が出来る。

まずユースケースを定義し、それに対してベースとなるデータセットを供給する。そうすればPredictive Analyticsサービスがアルゴリズムを評価し、どのモデルが最も正確な予測を出せるか判断する。
駆け出しの科学者たちにとって、AIの研究がとても手軽になる。

IBMは数ある競合会社の一社に過ぎないものの、彼らの取り組みが長期的なものになったことは明らかであり、このサービスがコンシューマにどのように受け入れられるか興味深い。

ReadWriteJapan編集部
[原文]

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