【速報】「IBM InterConnect 2016」、米Docker社がコンテナ一元管理ツール「DDC」を発表、ほか
こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。
今週は米国に出張中で、最高気温が20度以上の中で過ごしています。今週の関東地方は曇りの日が多いようで、まだまだ春は遠いようです。日本気象協会は24日に第2回目の桜の開花予想を発表しましたが、こちらは平年並みのようです。
今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。
NTTデータ、オープンソースを活用したJavaフレームワークの提供を開始
NTTデータは24日、アプリケーションフレームワーク「TERASOLUNA Server Framework for Java 5」の本格展開を開始すると発表しました。NTTデータでは、10年以上前から社内の標準Javaフレームワークとして「TERASOLUNAフレームワーク」を整備し、オープン系システム開発向けに展開してきました。しかし、TERASOLUNAフレームワークの提供開始から約10年が経過し、新しい技術やアーキテクチャーへの対応、タイムリーなセキュリティ対策など、技術トレンドへの追従が難しくなってきたことや、NTTデータ独自のフレームワーク層を含むため、グローバルにおける開発者確保が難しく、サポートやメンテナンスの負担が年々増加していることが課題となっていました。新版では独自フレームワーク層の開発をやめ、「Spring Framework」などのOSSを採用しました。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20160224_745211.html)
コンテナ化したアプリケーションの総合的一元的管理コンソール「Docker Datacenter」をDockerが提供
米国Docker社は23日、「Docker Datacenter(DDC)」と名付けた新しいコンテナコントロールセンター(管理者用総合コンソール)を発表しました。ユーザー企業は規模の大小を問わず、このツールを使ってコンテナの作成や管理、配布をコントロールできるようになります。DDCは同日に発表された「Docker Universal Control Plane」や「Docker Trusted Registry」など、さまざまな商用製品で構成されています。一部には「Docker Engine」のようなオープンソース製品も使われています。企業ユーザーの「自分たちが作って配布するコンテナのアドミニストレーションやセキュリティ、ガバナンスを総合的に管理、コントロールしたい」という要望に押されて開発されました。
米国IBMがAWS Lambda的なサービス「OpenWhisk」を発表、オープンソース提供も
米国IBM社は22日、同社が開催中の「IBM InterConnect 2016」でIBM Bluemix上の新サービス「Bluemix OpenWhisk」を発表し、「実験的」サービスとして提供開始しました。また、同時にこれをApache 2.0ライセンスに基づくオープンソースコードとして公開しました。OpenWhiskは、AWS Lambdaと同様のイベントベースのプログラミングサービスで、外部からのイベントを受け、アクションとしてマイクロサービスを実行できます。開発者はサーバの運用を考える必要がなく、JavaScriptなどでコードを書くだけでよくなります。
(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1602/23/news058.html)
【速報】IBMがGitHubと提携。GitHub Enterprise-as-a ServiceをBluemixで提供
米国IBM社と米国GitHub社は22日、米国ラスベガスで開催中のイベント「IBM InterConnect 2016」において戦略的提携を発表しました。IBMはこの提携において、同社のPaaS型クラウドサービス「Bluemix」の仮想プライベートクラウド「Bluemix Dedicated」、もしくはプライベートクラウドの「Bluemix Local」上でGitHub Enterpriseのサービスを提供します。これにより、開発者はファイアウォールの内外で同じようにGitHubを用いた開発が行えることになります。
(参照記事:http://www.publickey1.jp/blog/16/ibm_github.html)
Facebook、通信インフラのオープンソース化推進プロジェクトを発表
米国Facebook社は21日、オープンなデザインによるコスト効率の高い通信インフラ構築の促進をめざすプロジェクト「Telecom Infra Project(TIP)」を発表しました。TIPでは、通信事業者、システムインテグレーター、技術企業が協力し、通信インフラ構築の技術開発に取り組みます。新興国向けの安価なアクセス手段を提供するほか、第5世代(5G)通信も視野に入れています。また、TIPはサーバーハードウエアのオープンソース化を推進する同社主導の共同体「Open Compute Project(OCP)」の活動モデルを通信インフラに適用するもので、モバイルネットワーク構築のコスト削減を実現するためのオープンな技術およびデザインを開発し、提供します。
(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/022300539/)
Databricksがクラウド版Apache Sparkサービスのβプログラム参加者を募集中
米国Databricks社は17日、同社のクラウドベースのビッグデータプラットフォーム「Databricks」の無料版「Databricks Community Edition」のβ版を発表しました。Databricksは、クラウドベースの統合型ワークスペースにより、Apache Sparkを簡単に利用できるプラットフォームで、無料版のCommunity Editionでは、ユーザーは6GBのマイクロクラスタ、クラスタマネジャー、ノートブック環境を利用して、シンプルなアプリケーションのプロトタイピングを行えます。また、Apache Sparkのトレーニングリソースが豊富に用意されており、Databricks社はCommunity Editionについて「開発者やデータサイエンティスト、データエンジニアなど、Sparkを学習したいIT担当者に最適」と述べています。
(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1602/18/news131.html)
Xen Project、「Xen 4.6.1」に重要なパッチを含めなかった理由を説明
http://japan.zdnet.com/article/35078148/
Xen Projectは15日、仮想化ソフトウェア「Xen」のメンテナンスリリースとして「Xen 4.6.1」を公開したとブログで発表しましたが、その際に2つの重要なセキュリティフィックスが「部分的にしか適用されていない」点に言及していました。そして17日、同プロジェクトは、この状態でのリリースに至った経緯を説明しました。パッチが部分的である点に気付いたのは公式リリースの前であったものの、リリース工程の終盤に差しかかってからであり、この「見過ごし」に対処するには遅すぎたと説明しています。そして、リリース番号を欠番にして新たなリリースを公開し、ユーザーを混乱させる危険を冒すのではなく、用意していたリリースをそのまま公開するという安全策を採ったと記述しています。
(参照記事:http://japan.zdnet.com/article/35078148/)
21日から「IBM InterConnect 2016」に参加するためラスベガスに来ています。全世界から2万人以上が参加し、IBMの戦略を共有するためのイベントで、一番の特徴は基調講演の最初にユーザ企業が登場することです。これが意味するところは、すでに1社でイノベーションを実現することは不可能で、「ユーザやパートナー企業と一緒にイノベーションを実現していこう」という熱意の表れのような気がします。 ちなみに、日本からはユーザやパートナー企業と日本IBMの社員を合わせて340人が参加しているそうです。
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