OpenStackの新バージョン「Liberty」を発表・ダウンロード開始、ミラクル・リナックスが「松江ラボ」を開設、ほか

2015年10月23日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週末の24、25日は明星大学(東京・日野キャンパス)で「オープンソースカンファレンス 2015 Tokyo/Fall」が開催されます。今回は27日より品川で開催される「OpenStack Summit Tokyo 2015」に先立ち、25日に「OpenStackトラック」が開設されます。ひと足早く「OpenStackの今」に触れられる絶好の機会となりますので、興味のある方はぜひお越しを!

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

レッドハット、構成管理ツールのAnsibleを買収

米国Red Hat社は16日、ITオートメーションのスペシャリスト「Ansible」を買収すると発表しました。Ansibleは、IT環境の自動化を促進する構成管理及びDevOpsを実現するためのツールで、エージェントが不要であることと特別なコーディングスキルを必要としないことが大きな特徴です。今回の買収の目的は、ハイブリッドクラウド環境へのアプリケーション導入に伴う複雑性の解消とコストの削減で、RedHat社は今後Ansibleのテクノロジーを搭載したツールを提供していくことになります。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/article/35072098/

「人工知能のRed Hat」めざす、JVMで動く商用の深層学習フレームワーク「DL4J」

ディープラーニングフレームである「DL4J(Deeplearning4j)」を提供する米国Skymind社の創業者のAdam Gibson氏へのインタビュー記事です。既存のフレームワークはPythonベースですが、この「DL4J」はJava仮想マシン(JVM)で動作するのが大きな特徴で、エンタープライズ分野で利用しやすくなっています。また、ディープラーニングフレームワークとして世界で唯一、商用サポートを提供していることも特徴です。

(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/14/262522/101300203/

ミラクル・リナックスがOSS活動の活発な島根県に松江ラボを開設、Linuxのサポート業務やHatoholの開発、検証を実施

ミラクル・リナックス社は15日、島根県松江市に「松江ラボ」を開設したと発表しました。「松江ラボ」にはエンジニアが常駐し、Linuxのサポート業務やOSS統合運用管理ソフト「Hatohol」の開発の一部と検証を実施する予定です。当初は3名のエンジニアでスタートし、2020年には15名を目標に採用が計画されています。島根県松江市は、Rubyに代表されるようにOSSの文化が根付いており、地元企業団体や自治体によるOSS協議会の活動や学校でのOSS教育の取組みなどが活発に行われていることなどが選定の理由です。

(参照記事:http://www.miraclelinux.com/press-release/2015/2015-10-15

「第10回 日本OSS貢献者賞・日本OSS奨励賞」受賞者を選定

日本OSS推進フォーラムは16日、「第10回 日本OSS貢献者賞」と「同奨励賞」の受賞者を発表しました。日本OSS貢献者賞は、OSS開発の振興を図ることを目的に、影響力のある開発プロジェクトを創造・運営した開発者や、グローバルプロジェクトにおいて活躍する卓越した開発者、OSS普及への貢献者を表彰するものです。本賞は2005年度に創設され、今回が第10回目となります。また、日本OSS奨励賞は、過去1年間にOSSの開発や普及に顕著な活躍をした個人ないしグループを表彰するものです。本賞は2009年度に新設し、今年度が第6回目となります。今回は、貢献者賞には岡島順治郎氏、奥一穂氏、亀澤寛之氏、古橋貞之氏の4氏を、奨励賞には9名の個人と1組織を選定しました。授賞式は、10月24日に明星大学で開催される「オープンソースカンファレンス2015 Tokyo/Fall」内で行われます。

(参照記事:http://ossforum.jp/ossaward10th2

OpenStackの新バージョン「Liberty」発表―ダウンロード公開

OpenStack Foundationは10月16日、クラウド構築用OSSであるOpenStackの第12弾目のリリースとなる「Liberty」を発表し、ダウンロード公開を開始しました。新バージョンではクラウドビルダーやクラウド事業者、ユーザーのニーズに対応する新機能・機能改良が加えられています。Libertyでは、コンテナ管理プロジェクト「Magnum」の初のフルリリース版を導入し、Magnumは一般的なクラスタ管理ツールであるKubernetes、Mesos、Docker Swarmをサポートしています。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2015/10/16/374/

編集後記

プロ野球も大詰めの季節となり、いよいよ日本シリーズが始まります。今年の大きな特徴の1つは、何と言っても「トリプルスリー」と呼ばれる「打率3割、本塁打30本、盗塁30個」の成績を残した選手が対戦する両チームに在籍していることでしょう。今年の日本シリーズでは、この両選手の活躍が勝負を分けることになるかもしれません。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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