【de:code 2016】マイクロソフトがOSSにコミットする? GitHubの国内利用者は50%増加、ほか

2016年5月27日(金)
吉田 行男
日本マイクロソフトは24日からの2日間、都内で開発者向けカンファレンス「de:code 2016」を開催しました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週前半は「30度を超す真夏日が続く」という季節外れの暑さでした。週末に向けて暑さは一段落しましたが、今週発表された3ヵ月予報によると梅雨時期は大雨で、梅雨が明けると猛暑になるようです。できれば、この予報が当たらないことを祈りたいですね。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

サイオス、Microsoft Azure上で各種OSSの導入を支援する「OSS on CLOUDインテグレーションサービス」

サイオステクノロジーは23日、OSSを利用したシステムインテグレーションサービス「OSSワンストップソリューション」の新メニューとして、クラウド環境に特化した「OSS on CLOUDインテグレーションサービス」を発表し、その基盤となる「Red Hat Enterprise Linux on Azure導入サービス」の提供を開始しました。OSS on CLOUDインテグレーションサービスでは、企業において必要とされる信頼性の高い情報システムに対して、各種OSSとクラウド環境の導入を支援します。クラウドプラットフォームとしてMicrosoft Azure、OSとしてRed Hat Enterprise Linuxを標準構成として採用し、顧客のシステムに求められる技術検証の支援から設計・構築、基本的な監視や運用支援サービスまでを一貫して提供します。

(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20160523_758591.html

米ギットハブの日本法人代表が就任会見、「GitHub.comの国内利用者は50%増加」

米国ギットハブ社の日本法人ギットハブ・ジャパン合同会社は19日、同社代表のカントリー・マネージャーに藤田純 氏が就任したと発表し、日本法人設立から約1年経過した現在のサービス展開の進捗や日本市場の位置付けについて説明しました。ギットハブは2008年設立で、ソースコード共有サービス「GitHub」を手掛けており、利用者数は全世界で1,400万人を超えています。藤田氏は「日本は世界で2番目に重要な市場だと認識している。企業向け、個人向けの両製品を中心に事業を拡大していきたい」と話しました。日本法人設立からの約1年間で日本からの利用者数は50%増加し、企業向けのGitHub Enterpriseの利用者数は70%増えているようです。

(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/051901438/

MicrosoftがなぜOSSにコミットする? 開発者イベント「de:code 2016」が開催

日本マイクロソフトは24日からの2日間、都内で開発者向けカンファレンス「de:code 2016」を開催しました。このイベントは今年で3回目で、年々開発者向けのコンテンツが増えています。今年は「Ruby」を開発したまつもとゆきひろ氏や、システム自動構築用OSSフレームワーク「Chef」のVPであるJames Casey氏などによるセッションが行われるなど、OSSに関するセッションが多く見られました。「MicrosoftがなぜOSSにコミットする?」という質問に対して、「Microsoftは古い概念にとらわれない企業ではなく、『我々は世の中の役に立つか否か』という基準で動いている」という説明がありました。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/articles/2016/05/25/ossdecode2016/

Linux Foundation、「Hyperledger Project」の責任者にB・ベーレンドルフ氏を起用

米国Linux Foundationは19日、「Hyperledger Project」のエグゼクティブディレクターとして、著名なプログラマーで業界のリーダーでもあるBrian Behlendorf氏を起用したと発表しました。Hyperledger Projectはブロックチェーン技術(Bitconを支える重要な技術)に基いたオープンで分散型の企業向け台帳プラットフォームを制定、構築、維持していくためのプロジェクトであり、IBMやIntel、Accentureをはじめとする多数の企業や金融機関が参加しています。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/article/35082945/

ブロックチェーン技術mijinの次世代コアCatapult発表、仮想通貨NEMにも採用へ

ブロックチェーン技術を提供するテックビューロとオープンソースプロジェクトNEMが20日付けで提携し、「mijin」を大幅に改良した新型コアエンジンである「Catapult」(コードネーム)を共通で採用することを発表しました。NEMのオープンソースプロジェクトは2014年に発足しています。テックビューロではこのNEMをプライベートブロックチェーン技術にも転用可能ではないかと考え、NEMのコア開発者3名をフルタイム従業員とし、mijinの開発に取り組んできました。

(参照記事:http://jp.techcrunch.com/2016/05/23/techbureau-launch-catapult/

編集後記

今週は、記事でも紹介しましたが、マイクロソフト主催の「de:code 2016」に参加してきました。初めてマイクロソフト主催のイベントに行ったこともあり、大変新鮮でした。至るところで「なぜマイクロソフトがOSSを?」といったプレゼンがあったのが印象的で、なかなか浸透するには時間が必要なのかもしれません。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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