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商用Linuxを比較検討する

2009年7月10日(金)
大村 幸敬

Red Hat Enterprise Linuxの特徴

 Red Hatは「RPM」と呼ばれる利用しやすいパッケージ管理システムを持っていたことで、古くからユーザーの人気を集めていたディストリビュータです。現時点では商用Linuxにおいて非常に大きなシェアを持っており、名実ともに商用Linuxのトップベンダーと言えます。以前はRed Hat LinuxというフリーのOSを提供していましたが、これをベースに商用ディストリビューションであるRHELの販売を開始しました。フリーのOSであるRed Hat Linuxはその後Fedoraプロジェクトに引き継がれ、Fedoraは実験的なコードが積極的に取り込まれるディストリビューションになっています。Red HatはこのFedoraプロジェクトをスポンサードしており、Fedoraプロジェクトの成果が次期RHELに取り込まれています。

 現在の最新バージョンはRHEL 5です。「Red Hat Enterprise Linux Advanced Platform」と「Red Hat Enterprise Linux」の2種類のエディションがあり、IAサーバーで使用する場合は、CPUソケット数が2、または仮想化ゲストが4までの場合はRHELを、それより多い場合はRHEL Advanced Platformを使用する必要があります。Advanced Platformは主に仮想化環境のホストOSとして利用されることを想定しています。

 1年間のサブスクリプションの標準価格はRHELが101,640円、Advanced Platformが204,750円です。この料金が毎年必要となりますが、RHELのサブスクリプションは「常に最新バージョンを利用できる」という点がポイントです。たとえばサブスクリプションの有効期間中に次バージョンであるRHEL 6が出た場合は、RHEL 5だけでなくRHEL 6も利用可能になります。実際のシステムは再インストール等が必要になりますが、OSのバージョンアップが無償という点はRHELの特色といえるでしょう。

 RHELはハードウエアベンダーのバンドルOSとしても提供されるのですが、このような場合サポートの内容に注意が必要です。ハードの保守年数に合わせて複数年分のサブスクリプションを購入しますが、このサポートはハードウエアメーカーによるハードとOSのワンストップサポートとなり、Red Hatから提供されるのはRed Hat Networkを使用したパッチやバイナリの提供のみとなります。

 メーカーのサポート内容はメーカーによって異なり、標準サポートでハードとOSの問題を切り分けてくれるメーカーもあれば、Linuxのインストールのみが標準サポートの対象で、運用中の障害調査には別途有償サポートの購入が必要となる、といったメーカーもあります。障害発生時にあわてないよう、バンドル版を利用する場合はサポートの対象範囲をよく確認してください。

 それでは、以下6つのサーバーOSの評価ポイントに従ってRHELを確認してみましょう。6つの評価ポイントの詳細については、第1回の図2(http://thinkit.co.jp/article/974/2/)を参照してください。

1)業務系アプリケーションの対応状況
2)既存運用・構築経験への適合度
3)ハードウエアの対応状況
4)運用系ソフトウエアの対応状況
5)OSのサポート期間
6)仮想化への対応状況

No. 評価ポイント 評価 コメント
(1) 業務系アプリケーションの対応状況 ★★★★★ シェアが高いことから、国内・国外のいずれも対応アプリケーションが多い。
(2) 既存運用・構築経験への適合度 ★★★★☆ 基本はCUIだが、シェアが高いため利用経験のあるユーザ・開発担当者が多い。
(3) ハードウエアの対応状況 ★★★★★ 国内・国外いずれのメーカも対応
(4) 運用系ソフトウエアの対応状況 ★★★★☆ 運用監視マネージャが動作しないものがあるが、エージェントは対応
(5) OSのサポート期間 ★★★★☆ リリース後7年間のサポート。RHEL 5は2014年まで。
(6) 仮想化への対応状況 ★★★☆☆ VMware、Xenに対応。Hyper-Vには未対応。今後KVMが搭載される。

表2:RHELの評価ポイント

インテック
株式会社インテック ITプラットフォームサービス事業部所属。社内のLinux/OSS事業立ち上げに参画後、金融機関を中心に大規模システム基盤の提案・構築・運用サポートを担当。
Linuxから仮想化を経て、現在はクラウドの中身が気になる日々。
http://www.intec.co.jp/

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