ビジネスを伸ばすサーバーOS比較 5

CentOSを比較検討する

CentOSを比較検討する

LinuxのRPM系代表として取り上げるCentOSは、RHELからRedHat社が著作権を持つロゴなどを取り除き、コミュニティーによってリリースされているものです。そのためRHELとソースコードレベルで同等の機能を持ちます。一部の企業からはCentOSを対象として有償サポートが提供されており、使用感はRHELとなんら変わりません。実は商用のソフトウエアもインストールすると動いてしまいます。一例としては、Oracle Databaseをインストールすることが可能です(当然サポートはされませんが)。

RHELの安定性を無償で利用できるということで、部門のシステムなど、サポートを度外視してOSSを使ったシステム構築を行いたい場合はCentOSを採用するシーンが多いと思います。CentOSはフリー系OSの中でも利用ユーザーが多く、RHELの情報も合わせるとWeb上に多くの情報があります。障害時の調査において海外のサイトまで見て回るとたいていの事象は報告されていることが多く、きちんと調査すれば障害対応でもそれほど困ることはないでしょう。

フリーのOSでも開発チームによるサポート期限があります。サポートは主にセキュリティーパッチやバグフィクスの提供になりますが、CentOSはRHELと同等期間パッチが提供されることはほかのOSと比べて大きな魅力です。CentOS5の場合はRHEL5と同じく2015年までパッチが提供される予定です。

障害対応は自分でやるからRHELと同様の信頼性がほしい、そんな場合にCentOSは最適です。また、RHELを学習するために利用することにも適しているでしょう。

No. 評価ポイント 評価 コメント
(1) 業務系アプリケーションの対応状況 ★★☆☆☆ 商用のアプリケーションは正式対応していない。実際はRHEL用のものが動いてしまうものもある。
(2) 既存運用・構築経験への適合度 ★★★☆☆ Red Hat Linux時代からの古参ユーザーも多く、利用にあたっての抵抗は少ない。
(3) ハードウエアの対応状況 ★★★☆☆ 多くのハードメーカーが非公式ながら動作確認情報を出している。
(4) 運用系ソフトウエアの対応状況 ★★☆☆☆ 正式対応はしていないが、対応OSを「Linux」としているものもあり、実際は動いてしまう可能性あり(未検証)。
(5) OSのサポート期間 ★★★★☆ RHELと同等。フリー系では最も長い。
(6) 仮想化への対応状況 ★★★☆☆ RHELと同等。

表2-1:CentOS 5.2の評価ポイント

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No. 評価ポイント 評価 コメント
(1) 業務系アプリケーションの対応状況 ★☆☆☆☆ 商用のアプリケーションは正式対応していない。OSSの利用が主体。
(2) 既存運用・構築経験への適合度 ★★★☆☆ APTが優秀。どっぷりつかるととても快適。CentOSなどから移行するととっつきにくい面も。
(3) ハードウエアの対応状況 ★★★☆☆ 多くのハードメーカーが非公式ながら動作確認情報を出している。
(4) 運用系ソフトウエアの対応状況 ★★☆☆☆ 正式対応はしていないが、対応OSを「Linux」としているものもあり、実際は動いてしまう可能性あり(未検証)。
(5) OSのサポート期間 ★★★☆☆ 次バージョンがリリースされてから1年間まで。最近の実績ではリリース後3年程度。
(6) 仮想化への対応状況 ★★☆☆☆ Xenを使用してホストOSとして動作。サポートはないが各種仮想化環境上でも動作する。

表2-2:Debian GNU/Linux 5.0の評価ポイント

 

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