第6回:単体テスト仕様書&報告書 (2/3)

即活用!業務システムの開発ドキュメント標準化
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第6回:単体テスト仕様書&報告書
著者:システムインテグレータ  梅田 弘之   2005/9/9
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詳細設計と単体テスト

   DUNGEONでは、"機能"単位に詳細設計書が作成されます。前回、詳細設計書について解説しましたが、そのテンプレートに示すように、"機能"には複数のモジュールが含まれます。

   例えば、「プロスペクト一覧」という機能は、「プロスペクト一覧」という画面と「プロスペクト検索」「プロスペクト印刷」「月別受注見込出力」という3つのビジネスロジックの合計4モジュールから構成されます。

コラム
共通モジュールの設計書は単独で

   DUNGEONでは、モジュール単位ではなく、機能単位で詳細設計書を作成します。これは、モジュール単位だと設計書が細分化され過ぎて機能要件が把握し難くなると考えているからです。そのため、機能に含まれるモジュールの仕様は、機能設計書の中に含んで記述されます。

   しかし、モジュールの中には複数の機能で共通に使われるモジュールが存在します。例えば、「在庫更新」というビジネスロジック(モジュール)は、入荷や出荷、棚卸など複数の機能から共通に使われます。このようなモジュールの場合、特定の機能仕様書内に仕様を記述するのは好ましくないので、モジュール単体で機能仕様書を作成します。
テスト仕様書とテスト結果報告書

   テスト工程におけるドキュメントは、「テスト仕様書」と「テスト結果報告書」です。テスト仕様書はテスト前に作成するもので、どのようなテストを行い、どういう結果となればよいかを記述します。テストの結果は、テスト結果報告書としてまとめられます。基本的にテスト項目に対して、その結果を記載していくので、テスト仕様書とテスト結果報告書は対比します。そのため、DUNGEONではこの2つを別々に作成するのではなく、1つのドキュメントとしてまとめています。


単体テスト仕様書

   詳細設計書に記載されている内容が正しく動作することを確認することが単体テストです。そんなことは当たり前と思われるでしょうが、実際はその通りになっていないことが多くあります。

  1. 詳細設計書>単体テスト仕様書
  2. 詳細設計書=単体テスト仕様書
  3. 詳細設計書<単体テスト仕様書
   上記aは、詳細設計書に書かれているのにテスト項目から漏れてしまったり、単体テスト仕様書をろくに作成せずにテストするような場合です。

   逆にcのように詳細設計書の記載漏れを単体テストでカバーしようとするケースも注意が必要です。ろくに設計書を作成しないでプログラミングを行うような場合も、これに該当します。「設計書の不備をテストでカバーする」という考え方は、何を持って正常と判断するかの基準があいまいになり、多くの場合にバグ発生の原因となります。

   このような観点から、単体テスト仕様書は、詳細設計書と対比したフォーマットとなります。DUNGEONのように詳細設計書のフォーマット化を推進した場合は、単体テスト仕様書もフォーマット化が可能となります。しかし、詳細設計書が自由記述であれば単体テスト仕様書も自由記述的なものになります。

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著者プロフィール
株式会社システムインテグレータ  梅田 弘之
東芝、住商情報システムを経て1995年にシステムインテグレータ社を設立。 常駐・派遣主体の労働集約的な日本のソフトウェア業の中で、創造性にこだわってパッケージビジネスを行っている。 国際競争力のない日本のIT産業が、ここから巻き返しを図るための切り札は「プロジェクト管理」だと信じ、実践的なプロジェクト管理手法「PYRAMID」を自社開発している。


INDEX
第6回:単体テスト仕様書&報告書
  設計&テストのV字モデル
詳細設計と単体テスト
  単体テスト仕様書の記述度
即活用!業務システムの開発ドキュメント標準化
第1回 開発ドキュメント体系と業務フロー
第2回 機能一覧表とI/O関連図
第3回 基本設計書
第4回 詳細設計書(前半)
第5回 詳細設計書(後半)
第6回 単体テスト仕様書&報告書
第7回 結合テストと総合テスト
第8回 要求仕様書の標準化プロセス
関連記事 : 即活用!企業システムにおけるプロジェクト管理
第1回 プロジェクト管理力を強化するための具体的プラン
第2回 PMBOKをベースにしたプロジェクト管理の管理
第3回 スコープ管理とスケジュール管理
第4回 コスト管理の構造と見積手法
第5回 品質管理
第6回 組織管理
第7回 コミュニケーション管理
第8回 リスク管理
第9回 調達管理(外注管理)
関連記事 : 即活用!ツールを活用したデータモデリング
第1回 ソフトウェア産業に産業革命を起こすデータモデリング
第2回 ERの基礎知識とツールの活用法
第3回 日本語名の是非とデータ型採用方針
第4回 制約の使い方、Unicode使用可否、明細テーブルの設計
第5回 教科書的ではなく、現場にあったデータベース設計のコツ

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