第2回:SMB市場におけるERPパッケージの導入実態 (3/3)

SMB市場における新ITシステムの動向
SMB市場における新ITシステムの動向

第2回:SMB市場におけるERPパッケージの導入実態
著者:ノーク・リサーチ  伊嶋 謙二   2006/1/23
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中堅企業市場の主役は富士通、オービックであり、SAPはまだ競合視されていない

   最後に図3を用いてERPベンダーの競合関係を明らかにしていきたい。その際、ここではSMBを中堅と中小に分けてさらに細かく見ていく。
ERPベンダー競合図
図3:ERPベンダー競合図
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   この競合図の矢印が非常に混み合っていることからも中堅企業市場がいかに激戦区になっているかがわかる。

   この状況下で多くのベンダーから競合視されているのが富士通、オービックの2社だ。2社ともSMB市場においてシェア上位であることからも、今後とも他ベンダーから競合視されることは間違いない。また、お互いに競合視していることからも、中堅企業市場はこの2社を中心に競争が激化していくことが想定される。

   さらに2003年度においては、この2社に加え住商情報システムが特に各ベンダーから競合視されていたのだが、製品である「ProActive」がLinux版に注力しはじめたことなどから、他ベンダーとは方向性が異なりはじめており、競合視されることは少なくなったようだ。

   現在はそのポジションにSSJ、インフォベックが名前を連ねようとしている。SSJは販売開始当時から中堅企業にフォーカスしており、長年の実績とノウハウをつめこんだ製品は富士通やオービックから競合視されている。また、インフォベックは2004年度から新規参入して徐々に名声をあげ、すでに富士通や住商情報システム、そして大塚商会から競合視されており、今後も目が離せない。

   2004年度から鳴り物入りでSMB市場に参入してきた外資系大手ベンダーSAPの「SAP BusinessOne」を競合視しているのはインフォベック1社のみで、同社が苦戦している様子がうかがえる。同社にとって、パートナー戦略を充実させることが最重要課題となっている。

   中小企業市場では、大塚商会とOBCの2社がお互いを競合視している。現在は大塚商会が強力な営業力を背景にシェアを拡大しているが、OBCも中小企業市場の再開拓を表明しており、2社の競争は今後も続く。これに対して、現在中小企業市場をメインとしているミロク情報サービスはOBCを競合視しているものの、新パッケージを発表して中堅企業市場への参入を表明している。

   図3に表記されているベンダーはもちろんのこと、表示されないベンダーの多くはニッチ戦略で生き残りをかけるか、または淘汰されるかという厳しい「サバイバル争い」はこれからさらに加熱していくであろう。この動きに連動してSMBへのERP導入が一段と進むのは間違いない。


次回は

   次回は話題をSCMに移してその実態について見ていく。

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有限会社 ノーク・リサーチ 伊嶋 謙二
著者プロフィール
有限会社 ノーク・リサーチ  伊嶋 謙二
1956年生まれ。1982年、株式会社矢野経済研究所入社。パソコン、PC(IA)サーバ、オフコンなどをプラットフォームとするビジネスコンピュータフィールドのマーケティングリサーチを担当。とくに中堅・中小企業市場とミッドレンジコンピュータ市場に関するリサーチおよび分析、ITユーザの実態を的確につかむエキスパートアナリスト/コンサルタントとして活躍。1998年に独立し、ノーク・リサーチ社を設立。IT市場に特化したリサーチ、コンサルティングを展開すると同時に、業界各誌への執筆活動も積極的に行っている。


INDEX
第2回:SMB市場におけるERPパッケージの導入実態
 はじめに
 3. 回復傾向にある景気
中堅企業市場の主役は富士通、オービックであり、SAPはまだ競合視されていない
SMB市場における新ITシステムの動向
第1回SMB市場におけるITシステムの導入実態総論
第2回SMB市場におけるERPパッケージの導入実態
第3回SMB市場におけるSCMの導入実態
第4回中堅・中小企業におけるCRMの導入
第5回SMB市場におけるグループウェアの導入実態
第6回SMB市場におけるLinuxの導入実態

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