第8回:Oracle RACコンポーネントの管理 (1/3)

最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC

第8回:Oracle RACコンポーネントの管理
著者:日立システムアンドサービス  森田 貴司   2006/10/19
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はじめに

   これまでの連載で、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)の可用性やパフォーマンスの優位点はご理解いただけたと思います。

   今回は、Oracle RACを管理する上で必要な知識について解説していきます。Oracle RACのインストールは非常に簡単でしたが、管理についても使用するコマンドやツールを押さえていればそれほど難しいものではありません。

Oracle RACコンポーネントの管理

   Oracle RACを構成するコンポーネントには、大きく分けて2種類あります。

   1つはCluster Ready Serviceをはじめとした、高可用性フレームワークを提供するコンポーネント。そしてもう1つが、Virtual IP、リスナー、インスタンスなどの高可用性フレームワーク上で動作するコンポーネントです。

Oracle RACを構成するコンポーネント
図1:Oracle RACを構成するコンポーネント

   図1の上側の枠で囲まれたコンポーネントを「CRSリソース」と呼びます。CRSリソースはOracle Database 10g Release 2からサポートされたユーザ定義リソースを除き、すべてsrvctlコマンドで操作を行います。

   srvctlコマンドはリソース間の依存関係を解決して適切に起動・停止を行うものです。一般的な管理タスクはこのコマンドを覚えていれば十分でしょう。また、srvctlコマンドではCRSリソースの作成や削除、構成変更、使用状態の変更なども行えます。

   CRSリソースの状態はsrvctlコマンドで確認できますが、一覧形式で確認できるcrs_statコマンドのほうが便利です。crs_statコマンドはOracle Clusterwareをインストールしたディレクトリ(<CRS_HOME>)のbinディレクトリ下に存在します。

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日立システムアンドサービス 森田 貴司氏
著者プロフィール
株式会社日立システムアンドサービス
オープンソリューション本部
プロフェッショナルサービス部   森田 貴司

入社7年目。Web-DBアプリケーション開発を経て、現在はOracleを中心としたオープンシステムの設計や構築、移行などに携わっている。Oracle Databaseだけでなく、Oracle Fusion Middlewareなどトータルな技術を身につけ、お客様にベストなソリューションを提供することを心がけて日々奮闘している。


INDEX
第8回:Oracle RACコンポーネントの管理
はじめに
  crs_statコマンドについて
  Oracle RACノードの構成変更
最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
第1回 Linux上で利用するOracle RACのメリット
第2回 押さえておくべき基本設定
第3回 Oracle Clusterwareのインストール
第4回 Oracle Clusterwareインストール後の設定と確認
第5回 Oracleソフトウェアのインストールと設定
第6回 サーバダウン時のOracle RACの可用性
第7回 Oracle RACのパフォーマンスチューニング
第8回 Oracle RACコンポーネントの管理
第9回 Oracle RACのノード追加手順
第10回 Oracle RACの拡張機能と更なる進化

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