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最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC

第2回:押さえておくべき基本設定
著者:日立システムアンドサービス  熊川 哲也   2006/7/4
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はじめに

   Oracle Database 10gでは Standard Edition のライセンスでもReal Application Cluster(RAC)の機能を利用できるようになりました。本連載ではOracle Database 10g Standard Edition をご利用されることが今後、増えてくることを想定し、Oracle RAC導入における一連のオペレーション(製品のインストールからデータベース作成まで)の手順を追って説明します。

   なお、Oracle Database 10g Standard EditionでOracle RACを利用する場合には、いくつかの制約が存在しますので、これらの制約を理解した上で利用してください。
  • クラスタを構成するサーバ全体でCPUの搭載可能総数が4以下であること
  • クラスタソフトウェアにはOracle Database 10gが提供するOracle Clusterware(以下、OCW)を利用すること
  • ボリューム管理にはOracle Database 10gが提供するAutomatic Storage Management(以下、ASM)を利用すること

表1:Oracle Database 10g Standard EditionにおけるOracle RACの制約

   また、導入における基本情報は次のマニュアルを必ず参照してください。

  • Oracle Database インストレーション・ガイド
  • Oracle Database リリース・ノート
  • Oracle RACインストレーション・ガイド

表2:本連載に際して参照すべきマニュアル一覧

   本連載はOracle Database 10g Release 2を前提に記述しております。


押さえておくべき基本設定について

   連載で使用するシステム構成は次の通りです。

サーバ数 2台
サーバのCPU数 1
サーバの内臓ディスク容量 40GB(SCSI)
サーバのネットワーク
アダプタ数
2枚
OSのバージョン Red Hat Enterprise Linux ES 3(Update7)
共有ディスク装置 1台(ディスク数 7本)
Oracle Databaseソフトウェア Oracle Database 10g Release 2 Standard Edition

表3:本連載で利用するシステム構成

本連載で利用するシステム概要図
図1:本連載で利用するシステム概要図
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   本連載ではOSのインストールおよびOSコマンドなどについては特に触れません。詳細については各マニュアルを参照してください。またこれ以降に解説する内容については、Oracle RACを構成するすべてのサーバで設定や確認などが必要になります。


サーバのハードウェア設定について

   サーバのハードウェア設定が次の要件を充たしていることを確認します。

  • メモリが1GB以上であること
  • スワップ領域はメモリの1.5倍〜2倍あること
    メモリが2GBを超える場合はメモリと同じサイズのスワップ領域が必要
  • ディスクの空き容量が4GB以上あること
  • 「/tmp」の空き領域が400MB以上あること

表4:ハードウェア設定の要件

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日立システムアンドサービス 熊川 哲也
著者プロフィール
日立システムアンドサービス  オープンソリューション本部
カスタマサポートセンタ   熊川 哲也

Oracle Ver 6 の頃からOracle製品に携わり、Oracle製品のサポートおよびビジネスパートナーへの技術支援などの業務に従事している。プロフェッショナルとして、お客様やビジネスパートナーの期待に応えるサービスを提供できるよう常日頃から心がけている。


INDEX
第2回:押さえておくべき基本設定
はじめに
  サーバのソフトウェア設定について
  リソースの設定について
  リモートシェルの設定について