第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント (1/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント

著者:デル   2006/8/14
1   2  3  4  次のページ
ESX Server 2.5.1ソフトウェアのインストール

   今回はデルのサーバにESX Server 2.5.1ソフトウェアをインストールする際、配慮すべきガイドラインを示します。

   ESX Server 2.5.1ソフトウェアの詳細なインストール手順と要件については、VMware社が提供する「ESX Server 2.5.1 Installation Guide」をご参照ください。このガイドは、製品のインストールCDに収録されています。また、以下のWebサイトからも入手できます。

※注1: ESX Server 2.5.1ソフトウェアがサポートするのは、VirtualCenter 1.2のみです。現在、VirtualCenterを使ってESX Serverシステムを管理している場合は、ESX Server 2.5.1へのアップグレードを始める前に、まず、VirtualCenterのバージョンを1.2にアップグレードしてください。


インストール前の計画

   ESX Serverソフトウェアのインストールでは、計画段階が非常に重視されます。インストール計画を入念に練れば構成が合理化され、将来チューニングする労力も減らせます。インストールに先立ち、次の点を確認するようにしてください。

  1. ESX Serverをインストールするシステムで、いくつのVMを実行するのか決めます。また、それぞれのVMでどれくらいのワークロードを処理させるのか決定します。
  2. 各VMに必要なリソースを見積ります。たとえば、CPUの要件、メモリ容量、NIC数などを検討します。このようなサイジング情報については、以下のURLに掲載されているサイジング・ガイドラインをご参照ください。
    http://www.dell.com/vmware
  3. サービス・コンソールに必要なリソースを見積ります。
  4. 特にリソースが優先されるVMには、専用のリソースを割り当てます(たとえば、ファイル・サーバには専用のNICを確保するなど)。
  5. IPアドレス、ネットワーク・マスク、ゲートウェイ・アドレスなどの必要なネットワーク情報を収集します。
  6. ローカル・ディスクで最適だと思われるパーティション構造を検討します(ディスクのパーティションについては、下記の推奨事項をご参照ください)。

表1:インストール前に注意すべき点


SAN経由の起動

   ESX Server 2.5.1は、SANからのブートをサポートします。SANからのブートを可能にするESXの構成方法については、以下のURLに掲載されているDell/VMwareリソースセンターをご参照ください。



VirtualCenter

   現在、VirtualCenterを使ってESX Serverシステムを管理している場合、まず、VirtualCenterのバージョンを1.2にアップグレードしてから、ESX Serverシステムを2.5.1にアップグレードしてください。


RAID構成

   ESX Serverソフトウェアのインストールを始める前にディスク構成を調べ、要件に沿ったRAID構造となっているか確認します。搭載しているローカル・ディスクの台数に応じて、一番高いレベルのRAIDを採用してください。

   たとえばディスク数が2台の場合、RAID 1を採用します。ディスク数が3台以上の場合、RAID 5を採用すれば性能向上が図れます。RAID 0は、データに冗長性がない(フォルトトレランスが提供できない)ため、お勧めしません。


サービス・コンソールの構成

   デバイスを割り当てるとき、サービス・コンソール用のメモリも確保します。サービス・コンソール向けに確保するメモリ量は、ESX Serverシステムで稼動するVM数によって決まります。

   OpenManageをインストールする場合、サービス・コンソールにより多くのメモリを割り当てるようお勧めします(目安として、当初のメモリ量より128MB前後増やします)。サービス・コンソール専用に割り当てたメモリ量は、いつでも変更することができますが、ESXServerシステムをリブートする必要があります。


推奨するローカル・ディスクのパーティション構造

   表2は、ESX Serverシステムで推奨するローカル・ディスクのパーティション構造を示しています。

マウント・ポイント タイプ 推奨サイズ 用途
/boot ext3 50MB ブート・カーネル・イメージの保存
swap swap 1GB サービス・コンソール専用のスワップ領域。ESX Serverソフトウェア用の
スワップ・ファイルとは異なる
/ ext3 4GB サービス・コンソールと
ESX Serverカーネルの保存
/vmimages ext3 10GB以上 ISOイメージ・ファイルと、
テンプレート形式でエクスポートした
仮想ディスク・イメージの保存
/home ext3 2GB それぞれの仮想マシンに
対応した構成ファイルの保存
(なし) vmkcore 102MB VMkernel用コア・ダンプ・ファイルの保存
(なし) vmfs2 残りの領域 仮想マシン用ディスク・ファイルの保存

表2:VMware ESX Serverシステムで推奨されるディスク・パーティション

   ESX Serverシステムをインストールするときは、「Manual Partitioning」(手動のパーティション設定)オプションを選択し、表2の推奨内容に従ってローカル・ディスクのパーティションを作成してください。

※注2: /vmimagesパーティションは、CD-ROMのISO9660イメージだけでなく、テンプレート形式でエクスポートされた仮想ディスクも保存することができます。この領域は、仮想ディスク・イメージの格納先を変えるとき、一時領域または暫定的な退避先として利用することもできます。たとえば、仮想ディスクを一旦このパーティションに移動しておいてから、目的のマシンやストレージ領域にコピーすることが可能です。さらに、仮想ディスクの一時的なバックアップ・コピーを作るときも、この領域が利用できます。

1   2  3  4  次のページ

デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第4回:インストール時の注意点とチューニングポイント
ESX Server 2.5.1ソフトウェアのインストール
  インストール後
  VMware ESX Server環境で利用するDell OpenManage
  ゲスト・オペレーティングシステム
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る