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| 標準WBSの活用 | ||||||||||||
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WBS自体は一般的に広まっているので、すでにWBSを標準化して運用している企業も多いことだろう。EVMのベースラインを作成する鍵となるWBSを1から作成していたのでは余計な工数がかかり過ぎるのだ。 また標準化されているということは、標準化されるにあたって様々なプロジェクトに適用されているということであり、成果物や作業に漏れが発生しにくいはずである。WBSを標準化することはメリットが大きいので、標準化していない企業はまずWBSの導入と標準化に注力していただきたい。EVM導入はその後で検討した方がよいだろう。 |
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システム開発方法論「プライド」では、案件着手からカットオーバーまでのシステム開発工程全体で184ものタスクが設定されている。タスクの中身は「どんなプロジェクトでも必ず実行するだろう」という基本的なことばかりであり、プロジェクトについて様々なことを考える前から「やることのリスト」がすでに用意されていることとなる。標準的なWBSを持つ価値は、ある時とない時の「先の見え具合の差」となってあらわれるのである。 |
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| 出来高とコストの推移も合わせて確認した方がよい事例 | ||||||||||||
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次の事例を見てみよう。この事例もある1年間(当初予定は11ヶ月)のプロジェクトを月単位で示したものである。 ![]() 図5:出来高とコスト実績(事例2) ![]() 図6:SPIとCPI(事例2) 図5の5ヶ月目と6ヶ月目を見て欲しい。EVが極端下がっていることから、大きな手戻りが発生していたことがわかる。12ヶ月目では11ヶ月目に比べPVがちょうど手戻り分程度下がっており、スコープの範囲を狭める計画変更をしてプロジェクトを終わらせたことが読みとれる。 さらに12ヶ月目を見るとACは変更前のPVとほぼ同じ値になっているが、EVは変更後のPVと同じである。コストとしては当初予定通りの投入であったが、出来高は当初予定に満たずに1ヶ月遅れで完了させたことがわかる。このことからコストオーバーが許されないプロジェクトだったと想定される。 図5の6ヶ月目以降のPVとEVの推移に着目すると、EVはPVを右斜め下にシフトしたイメージに近くなっている。予想外の大きな手戻りのため挽回するまでにいたらなかったと考えられる。またこの手戻りを解消できなかったため、上記の計画変更が実施されたと想定できるのである。逆にいえば、手戻りが簡単に挽回できないほど適正な(余裕のない)ベースラインを引けた例だともいえよう。 図6の12ヶ月目を単独で見るとすべて完了したように見えてしまうが、上記の内容から実際は計画変更した結果であり、改善された結果ではないことがわかる。またこの事例では図6のSPI・CPIの推移だけを見ても非常にわかりにくいと感じるのではないだろうか。出来高とコストの推移も合わせて確認した方がよいという一例といえよう。 |
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