第1回:Red Hat Enterprise Linuxの概要 (2/3)

Enterprise OS
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - インストール編

第1回:Red Hat Enterprise Linuxの概要
著者:日本ヒューレットパッカード  古賀 政純   2006/3/14
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Red Hat Enterprise Linux 4の特徴

   2006年2月現在での最新バージョンはRHEL4がリリースされています。RHEL4の主な特徴は以下の通りです。
  • RHELは企業向けディストリビューションの1つである
  • 約18ヶ月のリリースサイクルを持つ
  • RHN登録権、サポート契約は1年間ついてくる販売形態
  • リリース後、7年間サポートを受けることが可能
  • 24時間サポート
  • リリースされたRHEL4に加えて、errataカーネルやアップデートをRHNから入手可能

表1:RHEL4の特徴

   Fedora Coreがほぼ半年のリリースサイクルに対して、RHEL4はリリースサイクルが12〜18ヶ月となっており、長期間利用する企業システムにマッチしたものとなっていることがわかります。errataカーネルやセキュリティアップデート、バグフィックスモジュールを入手するため、RHNの利用は必須といえるでしょう。

   通常はOS購入と同時にサブスクリプション契約をして、RHNのアクセス権を使ってアップデートモジュールの入手やバグフィックス情報を入手してシステムメンテナンスを行います。


エンタープライズ用途でのRHEL4製品体系

   RHEL4はサーバ向けOSとクライアントOSの2種類があります。サーバ向けとしてRHEL4 AS/ES、クライアントPC向けとしてとしてRHEL4 WS、Red Hat Desktopがあります。サーバOSの多くはRHEL4 AS/ESが利用されます。

   またサーバの管理クライアントやワークステーションとしてはRHEL4 WSが主に利用されています。以下はその製品体系をまとめたものです。

RHEL4 AS(ミッションクリティカルサーバ向け製品)
  • DBサーバ、HAクラスタ、大規模Webサーバ、ファイルサーバなど大規模ミッションクリティカルサーバに適している
  • 一般にハイエンドサーバで構成
RHEL4 ES(エントリ、エッジサーバ向け製品)
  • Webサーバ、メールサーバなどの部門で利用するサーバに適している
  • CPU2個までサポート
  • メインメモリを8GBまでサポート
RHEL4 WS(ワークステーション向け製品)
  • ワークステーション、HPC用途の計算ノードなど
  • CPU2個までサポート

表2:製品体系

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


INDEX
第1回:Red Hat Enterprise Linuxの概要
  エンタープライズLinux
Red Hat Enterprise Linux 4の特徴
  RHEL4の対応のCPU、メモリ容量について
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - インストール編
第1回 Red Hat Enterprise Linuxの概要
第2回 インストールの方法とサポート状況の確認
第3回 インストールとNICの設定
第4回 インストール後に行う設定
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 管理編
第1回 外部ストレージの設定と運用について
第2回 RHEL4におけるユーザ管理
第3回 RHEL4におけるシステム管理とSIMについて
第4回 RHEL4におけるOSのチューニング
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編
第1回 ブレードサーバとLinux
第2回 HAクラスタとバックアップ
第3回 データレプリケーションとWebサーバの構築の基本
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - 管理ツール編
第1回 現実路線のサーバ管理ソフトウェア
第2回 手軽なWeb管理ツールと強力な専用ツール
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - ネットワークサービス編
第1回 Webサーバの基本「Apache」
第2回 3つのファイルサーバ「NFS & FTP & Samba」
第3回 IPアドレスを管理する「DHCPサーバ」と通信の橋渡し「NATルータ」
第4回 NATサーバに必要なファイアウォール設定とデータベースサーバ、メールサーバ
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - バックアップ編
第1回 オープンソースMondo Rescueによるバックアップ手法
第2回 NetVault for Linuxを使ったバックアップ
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - クラスタ編
第1回 LinuxでもHAクラスタ
第2回 Serviceguard for Linuxでクラスタ環境の管理

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