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| シェアの割り当てによるCPU リソースの制御 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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CPUリソースを割り当てたり、リソース量を制限したりする方法の1つに、「シェアの割り当て」があります。VMに与えたシェア数の比率に応じてプロセッサ・スケジュールを組むことで、CPUリソースの割り当て量を制御します。 この方法では、各VMに特定のシェア数を与えます。VMが実際に獲得するCPU時間は、利用できる全シェア数のうち、与えられたシェアの割合と、現在のESX ServerホストにおけるCPUリソースの利用状況によって決まります。 シェアとは、本質的にサービスの保証になります。2つのVMを稼動させ、一方のVMに2倍のCPUシェアを与えれば、そのVMに2倍のCPUサイクルが割り当てられますが、両方のVMともアクティブにすることができます。 デフォルトでは、いずれのシングル・プロセッサVMにも1,000シェアが割り当てられ、リソースへのアクセス能力に差はありません。 例えば、テスト中、VM IDが151であるVM0のステータスは、次のようになりました。
%less -S /proc/vmware/vm/151/cpu/status
表1:この出力結果の説明 VM0には、前述のとおりデフォルトの1,000シェアが割り当てられており、このVMのステータスは、イベント待ちとなっています。VMに割り当てたCPUシェア数を変えるとどのような影響が出るのか調べるため、次のコマンドを実行し、シェア数を2,000に増やしました。
# proc 2000 > /proc/vmware/vm/151/cpu/shares
次に、第13回で説明したシナリオ2と同じテストを実行しました。シナリオ2では、VM0の方がVM1より頻繁にCPUリソースにアクセスしていましたが、このテストでは、VM1の方が高いVCPU 利用率を示しました。VM1のVCPU利用率の方が高くなった理由は、VM0の利用できるリソース量が与えられたプロセッサ・シェア数に応じて増え、余裕ができたからです。 ![]() 図1:VMに割り当てたCPUシェア数とCPU利用率の関係 図1のグラフを見ると、VM0とVM1は同じ処理量を実行しているにも関わらず、VM0のVCPU利用率はVM1より低いことがわかります。このようにシェアを動的に割り当てられる能力は、1台のESX Serverホスト上で優先度の高いVMと低いVMを混在させるときに便利です。今回のテストで実証されたように、優先度の高いVMのシェア数を増やすか、優先度の低いVMのシェア数を減らすことで、リソース要件を満たすことができます。 |
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| CPUリソースの最小値と最大値の指定 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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ESX ServerのCPUリソースを制御するその他の手段として、スレッショルド(しきい値)を設定する方法があります。「Min」(最小値)パラメータを使ってVMにプロセッサの割合(%)を設定すると、そのVMに最低限必要なCPUリソース量を確保することができます。たとえ、システムの合計シェア数が変わっても、設定した%値は維持されます。 システムのCPU時間に空きがなく、VMに設定されたMin条件を満たすことができない場合、そのVMはパワーオンすることができません。この機能を活用すれば、異種ワークロードが同時発生する環境でVM内のアプリケーションを運用する場合、必要な応答速度やスループット性能を確実に達成することができます。 運用規定としてSLA(サービスレベル合意)やQOS(クォリティオブサービス=サービスの質)を設けている組織では、VMに十分なCPUリソースを提供するよう、ESX Serverを構成することができます。Min設定と対照的なのが、Max(最大値)設定です。 これは、たとえシステムのプロセッサ時間に余裕があっても、VMに与えるプロセッサの割合(%)が最大値を超えないように制御する機能です。このようにESX Serverでは、必要に応じてVMが利用するCPUリソース量の上限を定めることができます。 以上のオプション設定や概念を実際に利用したのが、以降に示すテストです。VMにMin値やMax値を設定して、動作検証を行っています。 |
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