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| シナリオ3 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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シナリオ3では、それぞれ1基ずつのVCPUを割り当てたVMを2つ用意し、最初は1台のVMをアクティブにし、次に2台目のVMもアクティブにしてSMTPテストを実施しました。表8は、SMTPワークロードのもとで、1台のVMを実行したときのテスト結果です。 シナリオ1のOWAテストで得たVMの利用率(表4)に比べ、SMTPのワークロードではVCPUの利用率も、1秒あたりのコンテキストスイッチ数も明らかに増えています。プロセッサ時間を最も消費しているプロセスはInetinfoで、一部のオーバヘッドはESPツールから発生しています。図2では、OWAワークロードのもとで2台のVMをアクティブにすると、ESX ServerのCPU利用率がどのように変わるのかがわかります。このグラフから、アクティブにしたVMごとのVCPU利用率もわかります。 ![]() 図2:2台のVMで300人のOWAユーザを処理したときの測定結果(再掲)
表2:IMAPワークロードを使用したときのVMデータ 次の図3は、同じSMTPワークロードのもとで2台のVMを実行したときの性能をグラフにしたものです。両方のVMともデフォルト設定を採用し、同量のプロセッサ・リソースが使えるようにしています。 ![]() 図3:2台のVMに同量のCPUリソースを割り当て、SMTPワークロードを処理したときのテスト結果 次は、CPUリソースを動的に割り当てる機能を使い、一方のVM上でCPUリソース量を制限するテストを実施しました。このテストでは、VM0に対し、CPU利用率の最大値(Max)として50%を設定します。デフォルト設定は、Maxが100、Minが0となります。次のコマンドを使うと、VM0に設定されているMax値を表示することができます。
# cat /proc/vmware/vm/143/cpu/max 100
仮想マシンの最大値を変更するときは、次のコマンドが利用できます。
# echo 50 > /proc/vmware/vm/143/cpu/max
図4は、ESX Server上でVMが使用したCPUサイクル量をグラフにしたものです。VM0は、設定されたMax値を超えないように制御されているため、VM0のVCPU利用率が50%付近を推移していることがわかります。このテスト結果から、Max機能を使って特定のVMへのリソース量を制限すれば、その分、他のVMにリソースを回すことができ、より的確なサービスが提供できるようになります。 ![]() 図4:CPUリソースの割り当て量が異なる2台のVMSを稼動し、SMTPワークロードを処理したときのテスト結果 ESX Serverは、必要最小限のリソースを確保するMin(最小値)オプションも提供しているので、例えば、サーバで稼動させるVM を優先度の高いものだけに限る場合、このMin が利用できます。 |
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| まとめ | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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12回からでは、インストール手順や構成方法を交えながら、ESX Server、VM、Exchange Server 2003を採用したサーバおよびストレージ・インフラストラクチャについて説明してきました。また、テストで使用したESPやパフォーマンス・モニタリングなどのツール類にも触れています。 今回のテストでは、VMware ESX Serverアーキテクチャの中でも、特に仮想CPUハードウェアに注目して、仮想リソースの動的な割り当てや性能チューンナップの実用例を検証しました。これらのテストは、様々なシナリオのもとに2種類のインターネット・メール・プロトコルを使って実施し、アーキテクチャの動作検証を行いました。また、メッセージング環境をシミュレーションして、Exchange Server 2003のフロントエンドVMの性能特性も調査しています。 さらに、これらのテスト結果をさらに掘り下げて分析するため、シェア数に比例してリソース量が決定されるESX Serverの機能や、CPUの割り当て量を制御するMin(最小値)およびMax(最大値)機能の活用例を検証しました。その結果、これらのオプションを利用すれば、優先度の低いVMやワークロードに制限をかけ、優先度の高いVMにより多くのリソースが回せることが確認され、SLAやQOSレベルなどのIT要件を満たすのに有効であることがわかりました。 |
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