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改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - バックアップ編 |
第2回:NetVault for Linuxを使ったバックアップ
著者:日本ヒューレットパッカード 古賀 政純 2006/12/13
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NetVaultによるLifeKeeperクラスタのOracle 10g R2バックアップ、リストア
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ここでは、NetVaultを使ったLifeKeeperクラスタのRed Hat Enterprise Linux 4対応のOracle 10g R2のバックアップを紹介します。今回のシステム構成は以下の通りです。
- NetVaultのサーバは、Red Hat Enterprise Linux 4を実装したProLiant DL585(1台)で構築
- テープ装置は接続せず、仮想テープ装置をProLiant DL585のハードディスク内に作成
- NetVaultのGUI管理ツール(NVGUI)でバックアップ/リストアを実行
- バックアップ/リストアは、Oracleデータベースがオフラインの状態で行う
表1:バックアップサーバの環境
- 2台のRed Hat Enterprise Linux 4を実装したProLiant DL380 G4
- LifeKeeperによるHAクラスタ構成
- 2台のProLiant DL380 G4に接続された共有ディスクMSA1000の「/home1」にOracle 10g R2のデータ領域を保管
- 「/home1」はext3でフォーマット
- Oracle 10g R2はクラスタノードをアクティブスタンバイで稼動
表2:バックアップ対象
図2:NetVaultサーバとバックアップ対象のHAクラスタのシステム構成図 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
またLifeKeeperによるHAクラスタは、Red Hat Enterprise Linux 4で構成し、Oracle 10g R2がHAアプリケーションとして構築されています。
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オフラインバックアップ |
今回のバックアップは、NetVaultを使ったOracle 10g R2のオフラインバックアップを行います。オフラインバックアップは、バックアップを行う際にデータベースを一旦停止する方法です。したがって、バックアップを行う際、業務は停止します。
Oracle 10g R2はLifeKeeperクラスタの共有ディスク上のファイルシステムのマウントポイント「/home1」配下に構築されているとします。Oracle 10g R2がファイルシステム上に構築されており、かつオフラインバックアップを実行しますので、NetVaultからはOracleを意識せずにファイルシステムのバックアップを行えばよいことになります。まずNetVaultで作業する前に、Oracle 10g R2を停止しておく必要があります。
以下はバックアップ/リストアの手順の例です。
- バックアップ手順
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- Oracle 10g R2を停止
- NetVaultでオフランバックアップ
- リストア手順
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- Oracle 10g R2が停止していることを確認
- MSA1000に「/home1」領域作成し、マウント(フォーマットして「/home1」マウント)
- NetVaultでリストア(NetVaultのGUIで「/home1」を選択)
- Oracle 10g R2の起動(Oracle 10g R2のsqlplusコマンド内で、データベースをstartup)
- オラクルの停止
- 「/home1」をアンマウント
- LifeKeeperのGUIから、オラクルサービスを起動
- Oracle 10g R2のフェールオーバー試験
表3:バックアップ/リストア手順
このバックアップ手順はあくまでも基本的な作業の流れを理解するためのものです。実際には、システムの状態を入念に確認しながら行いますので、この操作手順だけを実運用時に適用することのないよう注意してください。
では実際にバックアップ/リストアをしていきましょう。
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LifeKeeperクラスタにおけるOracle 10g R2の停止 |
HAクラスタではない1台のRed Hat Enterprise Linux 4サーバ上で動作しているOracle 10g R2の停止は、Red Hat Enterprise Linux 4のコマンドライン上からoracleユーザになってsqlplusコマンドを入力し、Oracle 10g R2のSQLコマンドプロンプトで現在SQLが稼動しているかどうかを確認した後、shutdown immediateを入力してデータベースを停止させます。
しかしHAクラスタの場合は、手順が異なります。LifeKeeperによるHAクラスタ上で稼動しているOracle 10g R2のサービスを停止させるには、LifeKeeperのGUIから操作します。LifeKeeperのGUIにあるResource Hierarchy Tree内のOracleサービス(下図ではlkora1)のアイコン上で右クリックし、Out of Serviceを選択します。Out of ServiceはLifeKeeperにおいてサービス停止を行うためのメニューです。
これによりOracleのサービス、プロセスが停止し、Oracleデータベースもシャットダウンします。これでOracle 10g R2のデータベースのバックアップができる状態になりました。
図3:LifeKeeper GUIの「Out of Service」によりOracleのサービスを停止 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。
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