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| ベンダーマネジメントの機能 | ||||||||||||||
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米国では、ベンダーマネジメントの専業組織としてVMOを設置する例が増えている。これに習ってベンダーマネジメントに求められる機能を見てみよう。 VMOとはIT調達や管理能力の向上を目指し、ベンダーとの交渉窓口をはじめとする管理機能を備える専門的な企業内組織を指す。 従来、IT調達部門や事業部門の担当者で個々に行われていた管理を機能集約した組織と考えればよいだろう。 管理機能を集約することにより、得意分野、パフォーマンス、契約状況、価格やディスカウントレートなどに至るベンダーの情報を組織知として活用することができる。VMOによるベンダーマネジメントの全体像は図3のようになる。以降、それぞれのポイントについて解説しよう。 |
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| 調達戦略策定 | ||||||||||||||
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IT調達の全体像を描くうえで、インソース/アウトソースの選択や調達方針の立案は、後々のプロセスへの影響が大きく、慎重な検討を要する。 例えば、大規模なSI調達を検討しても、スキル、キャパシティ、信頼性などを備えた有力な候補がいなければプロジェクトリスクが高くなる。プライムコントラクタの設置やベンダーの再配置を計画するにしても、同様に候補ありきといえるだろう。 日頃からベンダー情報を蓄えておけば、調達戦略のグランドデザイン(叩き台)を描いたり、その実現可能性を見極めたりするうえで有効な情報を取得できる。 |
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| ベンダー選定 | ||||||||||||||
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ベンダー選定において、公平性・中立性を確保する動きは、官民問わず今日の市場トレンドの1つといえるだろう。 官庁では政府調達における随意契約を見直す動きが加速しており、民間でもRFPを用いて複数ベンダーの提案からベストなものを選択する調達方式が普及してきた。ベンダー管理データベースは、RFP送付先として有望な候補ベンダーをリストアップするのに役立つばかりでなく、提案評価の合理化にも寄与する(例えば、SE単価の他社比較が可能になるなど)。 なお、ベンダー選定プロセスを標準化し、RFP雛形、評価用のチェックリストなどのツールを準備しておくことも有益な施策である。 |
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| 契約管理/SLA | ||||||||||||||
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多数の実績を有するベンダーは、いわば契約交渉のプロである。保有する契約書の雛型は経験則の集大成といえ、ユーザ企業がこのようなベンダーとわたりあっていくには、不利益な条件を見抜く眼力と対抗策を有していなければならない。 これには、VMOが法務部門と連携するなどして経験値を集約し、契約交渉にあたるのが得策だ。VMOが交渉に不慣れな個々の購買担当者に代わってベンダー交渉の一元窓口として機能すれば、契約条件のコントロールや価格交渉の能力が増し、有利な進行を期待できる。 ホスティングや運用アウトソースなどのサービスを調達する場合は、SLAの締結が求められるが、これに関しても同様の交渉力が求められる。なお、契約書/SLAのいずれの場合も、ベンダーからの提示される書面ではなく、自社で用意した雛型を叩き台として用いるのが賢明である。 |
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| ベンダー評価 | ||||||||||||||
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選定評価、契約交渉、プロジェクト管理などのプロセスを整備しても、総合的なベンダー評価とそのフィードバックに目が向けられることは少ない。例えば、ベンダー選定や条件交渉は入念に行っても、決定された意中の1社が役員会などで一度承認されると、その後の評価活動は手薄になるものだ。 しかし、選定段階での評価は、いわば入学試験のようなもので、決してその後の成績を保証してくれるものではない。契約後の品質改善要求や契約条件の見直しは労力を伴い、交渉も難航しがちである。 効果的なベンダーマネジメントを行うには、委託後にベンダーをいかに評価するかについても考慮しておかなければならない。ここでの留意点は、評価者の立場の違いに応じて複眼的な視点から評価を行うことだ(図4)。 現場レベルでは主に技術レベルや人材が問われるが、契約責任者は品質/サービスレベルとコストが懸案事項となる。経営者層であれば、ベンダーの財務的な信頼性や企業としての体力が関心事となるだろう。したがって、SLAに依存することなく、ベンダーのパフォーマンスを総合的に評価することにも目を向ける必要がある。 |
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