CATWOE分析は、以下のような作業のことを指します。
「C(Customer)、A(Actor)、T(Transformation process)、W(World view)、O(Owner)、E(Environment)」の6つの視点でXYZを深く掘り下げる
XYZ分析で成文化されたXYZの妥当性を検証するために、以下のような視点でCATWOE分析を実施します。
視点 |
説明 |
C(Customer) |
Tの受益者(犠牲者の場合もある) |
A(Actor) |
Tを行う人々 |
T (Transformation process) |
ある状態から、価値観Wに合致する別の状態へと変換するプロセス |
W(World view) |
Tを意味あるものにする価値観 |
O(Owner) |
Tに関する責任者や所有者、あるいはTを止めることができる人々 |
E(Environment) |
外部要素、Tを実現するために必要な資源、環境、制約条件 |
表2:CATWOE分析の際に用いられる視点
さらに、検証のアプローチとして以下の項目を想定しています。
- XYZ分析で成文化されたXYZに対して、1つ以上のCATWOE分析を行う
- CATWOE分析の6つの視点をベースとしたヒアリングを顧客へ行い、XYZを成文化する
表3:検証の2つのアプローチ
前者のアプローチは通常の作業の流れで、後者のアプローチはCATWOEの要素を活用してヒアリングをしながら、XYZを浮き彫りにしていく作業となります。これは検証目的というよりは、テクニック的なものとなります。
前者のアプローチでは、XYZ分析で成分化されたXが変換後のTに該当します。Xないし変換後のTが、達成されている状態のイメージを思い浮かべながら、変換前のT(現在発生している問題状況など)および価値観Wに留意して、CATWOEの6つの視点を、具体的に記述していきます。
後者のアプローチでは、XYZ分析の実施において「XYZの表現は、顧客とのヒアリングのなかで、その構造を意識しながら、合意を得られる形で、成文化していきます」と書きました。実際には、この顧客とのヒアリングの中で、CATWOEの6つの視点を意識しながらXYZの成文化を導きます。
XYZ分析同様、以下の観点を意識しながら検証を行っていきます。
- 変換後のTは達成可能か?
- そもそも実現可能なレベルの設定か?
- 実現されたかどうか検証/計測できるか?
- Eによって、変換後のTは実現できるか?
- 実現のために必要な環境は?
- 制約条件は何か?
- Oにとって、変換後のTが実現されることは良いことか?
- Cにとって、変換後のTが実現されることは良いことか?
- 変換後のTによって、メリットを享受するのは誰か?
- Wの記述は適切か?
- Wの記述レベルの基準としては、変換前のTを否定し、かつ変換後のTを肯定する根拠となっている必要がある
表4:CATWOE分析を検証する観点
- Xは変換前のTを変換後のTに変換するか?
- Xによって、変換前のTが、変換後のTに変換されることが十分に表現される必要がある
- Aは、Xおよび変換後のTを実現できるか?
- Aにその能力があるか?
- その能力をつけるには何が必要か?
- その役割はAが適任か?
- Oにとって、Zが実現されることは良いことか?
- ZとWの意図に矛盾はないか?
表5:XYZ分析とCATWOE分析の整合を検証する観点
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