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BSDやLinuxではデフォルトで用意されているツールが見つからずハマる
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これまで紹介してきたはまり道は、ツールの使い方やデフォルトの設定が異なるだけで、ツール自体は用意されているものばかりでした。しかし、もっとハマってしまうのは、BSDやLinuxでは当たり前のように用意されているツールがSolarisにはないとか、全然違う名前で用意されていて「そんなの知らないよ〜」とか、同等品が用意されているけどどうも違和感が…とか、そういう場合です。
まず、BSDやLinuxに入っているツールと名前が全く異なる例を表1に示します。ただし名前が違うぐらいですから、機能やオプションなども差異があります。
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BSD/Linux |
Solaris |
機能 |
top |
prstat |
上位プロセスを表示 |
tcpdump |
snoop |
パケットキャプチャー |
fdisk |
format |
パーティション管理 |
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表1:BSDやLinuxに入っているツールと名前が異なる例
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また、BSDやLinuxには標準で入っているのにSolarisには用意されていない例としては、RCSやCVS関連のコマンドが挙げられます。かつてはgccが代表例だったのですが、Solaris 10では/usr/sfw/bin/gccとして収録されています。
ところで、BSDやLinuxにフリーソフトウェアをインストールするときにバイナリパッケージを利用していた人も多いと思います。Solarisでバイナリパッケージを使いたい人は、例えばSunfeeware.com(図6)などを利用するとよいでしょう。もちろんRCSやCVSも用意されています。また、Linuxを使っていた人の中には、ネットワーク経由でパッケージを更新するシステム(aptやyumなど)を利用していた人も多いでしょう。Solaris自身にはそれに相当する仕組みはなく、基本的にはパッケージをダウンロードしてpkgaddコマンドによりインストールするのですが、Solaris pkg-get toolを導入すると、aptやyum相当のことができるようになります。
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Sunfreeware.com
http://sunfreeware.com/
Solaris pkg-get tool
http://www.bolthole.com/solaris/pkg-get.html
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図6:Sunfreeware.comのWebサイト
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最後に、Solarisをデスクトップで使う人向けに、ウィンドウシステムについて触れておきます。Solaris 10でもウィンドウシステムはXが使われていますが、Xサーバーが2 種類用意されています。ひとつは古くからSolarisで利用されているOpenWindowベースのもの、もうひとつはBSDやLinuxでよく使われているXorgです。BSDやLinuxを使ってきた人はもちろんXorgを使えばよいでしょう。
また、デスクトップ環境も2種類用意されており、GUIのログイン画面で「共通デスクトップ環境(CDE)」か「Java Desktop System」を選べるのですが、実はJava Desktop SystemはGNOMEがベースになっています。ですので、BSDやLinuxでデスクトップ環境を使ったことのある人はJava Desktop Systemを選べば抵抗なく入っていけると思います。
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おわりに
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いろいろなはまり道を紹介してきましたが、これは一部に過ぎません。BSDやLinuxに慣れ親しんだ人にとってはちょっと使いにくいOSだと思うかもしれませんが、Solarisに慣れ親しんだ人もLinuxを使って同じような感想を漏らしているかもしれません(笑)。SolarisにはSolarisの長い歴史の中で培われてきた技術や思想があります。自分の使ってきたOSだけが正しいと思い込むのではなく、いろいろなOSを使うことで見聞を広めていただければと思う次第です。
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