TOPキーパーソンインタビュー> Sybase Special Interview
データベースのリーディングカンパニーの新たな顔
サイベース株式会社 代表取締役 早川 典之

サイベース株式会社
代表取締役  早川 典之


1998年サイベース株式会社に入社し、パートナー営業統括部長に就任。2000年に同社旧MEC事業本部長に、さらに2001年は同社取締役兼アイエニウェア・ソリューション事業部長長に就任。それ以降、サイベース株式会社取締役副社長、アイエニウェア・ソリューションズ株式会社代表取締役、iAnywhere Solutions,Inc.北アジア地域担当副社長などを勤め、現在はサイベース株式会社代表取締役社長とアイエニウェア・ソリューションズ株式会社代表取締役社長を兼任。

1   2  3  次のページ
サイベース株式会社は大規模なリレーショナルデータベース製品を中心として展開するベンダーとして知られている企業である。現在では早川氏が代表取締役社長を兼任するアイエニウェア・ソリューションズと連携してモビリティ分野にも注力している。今回はサイベース株式会社が現在市場に対して行っている取り組みと将来の目標についてインタビューを行った。

— サイベースが展開しているビジネスについて教えてください
早川氏:IT部門で10年以上経験のある方は、サイベースという名前に対してリレーショナルデータベース(以下、RDB)の会社という印象を持たれていると思います。しかしRDB以外の分野が大きく伸びていますので、そのイメージは今我々が行っているビジネスの内容とは離れつつあります。その一方で、当社のソリューションは金融やテレコムなどセンシティブな分野で多く使われていることから表に出ることは少なく、多くの実績があるのにもかかわらず、IT業界での経験が10年未満の方にはサイベースの認知度は広まっていないと思います。


— サイベースのビジネスコンセプトなんですか
早川氏:現在、当社は「Unwired Enterprise」というコンセプトでビジネスを行っています。今日の企業内の情報はハードウェアやネットワーク状況、アクセス制限やただ積み上げられて整理されない膨大なデータに阻まれ、社内の人間でさえ必要なデータに簡単にアクセスできない状況になりがちです。

これら企業データの流動性と価値を高め、企業にとって「必要な時に必要な人に最大限に価値のある情報」をもたらし、競合優位を実現することが、Unwired Enterpriseの目指す意味となります。


— 現在注力している製品についてお聞かせください
早川氏 早川氏:現在サイベースがもっとも力を入れているのは、情報系分析用高速クエリーエンジン「Sybase IQ」です。この製品は通常の基幹系や勘定系に使用されるRDBとは異なり、データウェアハウスやデータマートに代表されるような大量データの登録や検索に威力を発揮する分析用のエンジンです。

独自技術によるデータアクセスによりロード・検索が速く、またデータ圧縮機能でストレージも節約が可能です。また定型・非定型分析を問わない安定した性能で、アドホック(非定型)でもリアルタイムに分析が行えます。

大量データを高速にロード・検索する必要があっても、従来のRDB製品では技術的制約が多く実行は困難でした。しかし、Sybase IQであれば可能なのです。


— 具体的な適用分野は何でしょう
早川氏:リテールなどでの単品個別分析、歩留まり・品質向上などを目指す製造履歴データの分析、セキュリティに絡む各種ログ分析などがあげられます。

2005年には個人情報保護法に対応するためにセキュリティ市場は大きな動きを見せましたが、現在でも日本版SOX法への対応に向けて、この分野での需要はますます大きくなっています。


1   2  3  次のページ