第15回:デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上 (1/3)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第15回:デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

著者:デル   2006/9/22
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はじめに

   デュアルコアのインテルXeonプロセッサを搭載したDell PowerEdgeサーバは、かつてないレベルの高性能を達成します。ただし、プロセッシング・コア数が2倍になったからといって、性能が2倍になるわけではありません。

   そこでデュアルコアが、VMware ESX Serverの仮想化環境でどれくらいの性能向上を達成できるか調べるため、3種類のアプリケーション・ワークロードを使い、シングルコアとデュアルコアのDell PowerEdge 2850上でテストしました。

   その結果、性能が28%〜51%向上することがわかりました。今回からは、これらのワークロードで確認された性能向上について詳細を説明します。これらの情報は、VMware ESX Server環境で、デュアルコア・インテルXeonプロセッサの移行を検討しているお客様や、その効果を評価されたいお客様の参考になります。

ハードウェアの構成とセットアップ

   Dell PowerEdge 2850は、800MHzのフロントサイドバスを搭載する2U(約9cm)のデュアルプロセッサ・ソケット・サーバで、最大12GBのメモリをサポートします(将来は16GBまで可)。PowerEdge 2850では、シングルコアまたはデュアルコアのインテルXeonプロセッサがお選びいただけます。

   今回のテストでは、3.6GHzのシングルコアと、2.8GHzデュアルコア・プロセッサを使用しました。PowerEdge 2850は、最大6台の内蔵ディスクをサポートし、3個のPCIスロットとオンボードのデュアルGigabit NICを搭載しています。

Dell PowerEdge 2850
仮想化
ソフトウェア
VMware ESX Server 2.5.2
CPU 2基のインテルXeonプロセッサDP 3.6 GHz(2次キャッシュ:2MB)および、2基のデュアルコア・インテルXeonプロセッサDP 2.8 GHz(2次キャッシュ:コアごとに2MB)
メモリ 8GB
内蔵ディスク 73GB×2
NIC 10/100/1000Mbps×2(オンボード)インテルPro 1000XTGb×1
ディスク
コントローラ
PERC4ei(オンボード)
ファイバ
チャネル
HBA QLogic2340
高さ 2U(約9cm=3.5インチ)

表1:テストに使用したPowerEdge 2850サーバの構成

   テスト中、ファイバチャネルSANに接続するため、2個のPCIスロットにQlogic 2340 HBAをインストールしました。残りの1スロットにはインテル製Gigabit NICをインストールしたので、オンボードのデュアルGigabit NICと合わせると本システムのNIC数は合計3個になります。3個のNICのうち1つはESXサービス・コンソールに、もう1つはVMに、最後の1つはVMotionに割り当てました。また、今回のテストでは、PowerEdge 2850に8GBのRAMを搭載しています。

コントローラ Dell|EMC CX700×1
ディスク・エンクロージャ DAE2×1
ディスク 73GB(10,000回転)×10
LUN 5ディスクのRAID5×2
ソフトウェア Navisphere Manager Access Logix

表2:Dell|EMCストレージの構成

   両サーバとも、それぞれ2個のQlogic 2340 HBAを使ってSANに接続しました。2個のHBAを通じてLUNに複数のパスが渡されるため、ESX Serverのフェイルオーバが可能になります。SANストレージには、Dell|EMC CX700を採用。

   今回のテストでは、CX700に73GB(10,000回転)のファイバチャネル・ディスクを10台搭載し、そこに複数のVMを作成しました。10台のディスクから5ディスクのRAID 5を2セット構成し(4+1)、それぞれLUNに割り当てています。この2つのLUNにSQL Server、NetBench、LAMP VMをそれぞれ等分したので、各LUNにはこれらが半分ずつ入ることになります。

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第15回:デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上
はじめに
  VMWare ESX Serverソフトウェア
  SuSE Linux LAMP上のDVDショップ
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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