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企業システムにCurlを適用させるメリット
企業システムにCurlを適用させるメリット

第1回:5つのCurlの利用方法
著者:カール  杉本 健   2006/9/19
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はじめに

   少し前の話になりますが、WBCでの日本チームの優勝やメジャーリーグのシカゴ・ホワイトソックスがワールドシリーズを制覇したのはスモールボールがコンセプトになっていました。一方、実績のある強打者をFAで揃えてホームランによる得点で勝利するのがビッグボールです。偶然性の高いホームランで勝機を見出すのか、投手力、堅守をベースに機動力で繋ぐ野球を実践することで効率的に勝利を得るスモールボールを採用するのかは、企業の情報システム化投資の戦略方針に通ずるところがあります。

   さらに、野球でもシステム構築においても、プレーヤーの選定が戦略(優勝)実現への大きな鍵になります。どんなに素晴らしいホームランバッターでもチームの戦略に合わなければ十分なパフォーマンスを発揮することができません。

   本連載では、リッチクライアントを用いた企業システム構築において直面する様々な疑問を紐解きながら5ツールプレーヤーとしてのCurlをご説明します。

円熟期に入ったCurl

   2003年に、バージョン2から日本語版の提供を開始したCurlは、毎年新バージョンを発表し、今年9月にバージョン5を出荷しました。各バージョンでは常にお客様のニーズに合った最新の機能を提供していますが、特に2005年にリリースしたバージョン4は、日本国内の企業の情報システム部やITベンダー、パートナー企業からの様々なリクエストを反映した製品になっています。

   この間、Curlは日本市場のリクエストを最優先に製品化いたしました。何故なら、きめ細かな画面レイアウトや精密な帳票をビジネスシーンで必要とする日本の企業においてCurlが受け入れられれば、今後どの国でも通用すると考えたからです。

   そして、バージョン4を出荷してから1年後の2006年9月には名称を変更し、企業向けリッチクライアントのCurl/Proをスタートさせました。更に、心配される技術者不足への配慮とCurlを学びたい方へのフォローアップに無償版(Curl/Personal)の提供をはじめています。

Curlのロードマップ
図1:Curlのロードマップ


Curlの特徴

   今では国内外の多くのITベンダーがリッチクライアント(RIA:リッチ・インターネット・アプリケーションも含めて)製品を供給しています。それではリッチクライアントとは何でしょうか。

   例えば、プレビュー画面から選択したアイテムを拡大表示する時にアニメーションのごとく流れるように拡大してユーザにリッチ感を与えることはリッチなインターフェイスといえるでしょう。また、画面の切り替えは従来のWebアプリケーションのような画面のリフレッシュではなく、全画面の一部分だけを書き換えることは、従来のWebアプリケーションとは違うというリッチ感をユーザに与えることができます。

   しかし、実際にユーザが求めているものは見栄えや使いやすさからくるリッチ感だけではありません。Curlはリッチクライアントを次のように考えます。

ユーザのエージェントになること
  • ネットワーク上のWebサービスに情報を要求する
  • 情報に対してアクセスし、統合化/視覚化/管理を行う
  • 独自の世界でクライアントとサーバが連携してはならない
ユーザへの最大の効果を提供すること
  • より理解しやすい方法で情報を提供
  • より良い操作性と、すばやいレスポンスを提供
  • ネットワークから切断されていても稼動する環境を提供

表1:Curlが考えるリッチクライアント

   Curlが提唱するリッチクライアントとは、ユーザが目的に向かっていかに簡単で、かつ、心地良く達成できる仕組みを提供することです。

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株式会社カール 杉本 健
著者プロフィール
株式会社カール   杉本 健
SIベンダーに入社して以来、Fortran、Pascal、C、VB、Java、Perlなど2桁を越える言語を業務で利用。最近の開発はデジカメ感覚ですぐに結果が分り、銀塩フィルムの現像待ちのようなワクワク感がなくつまらないと嘆く。米国にて大手メーカの基幹システムの構築やプランニングに携わり、帰国後カールに参画。現在は、カールのマーケ/プロモに従事する。


INDEX
第1回:5つのCurlの利用方法
はじめに
  5ツールプレーヤーとは
  M&Aに代表される企業統合でのCurl(長打力)