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| 積極的な組織と消極的な組織 | ||||||||||||||||||||
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最初に断っておきたいのは、IT部門で頻繁に使われる「ユーザ」という言葉の定義だ。 筆者のような社内のIT部門では、コンピューターシステムを使っている従業員を指して「ユーザ」と呼ぶ傾向が強い。ただし、これでは現在、何らかの理由でITの恩恵を受けていない、不幸な従業員を見落とすことになる。顕在化している利用者の利便性追求も大事だが、60点を80点にするよりも、0点を60点にする方が全体効果は大きいというものだ。 そこで、「ユーザ」という表記には、顕在・潜在を問わず含めるということにする。 今回、対象にするのは表のような消極的なユーザだ。何をもって積極的・消極的を判断するかは難しいが、「組織全体で業務の標準化に取り組んでいない」もしくは「業務の改善意識が薄い」といった場合を消極的とした。 こうした消極的な組織の特徴には、次のようなものがある。
表1:消極的な組織の特徴 こうした消極的な組織が相手の場合、IT部門は「業務要件を定義できない、またコロコロかわる」「IT要件の定義には参加せず、完成後にクレームをだす」「手離れに手間暇がかかる」といった、難題を抱えることになる。 これらの現象は、IT化を契機として気付かされることが多い。ただし残念ながら、これらはIT部門が直接手を下して解決できることではない。だが、この状態を放置しておくと、「IT部門がキチンと対応しないから業務改革が進まない」という、レッテルを貼られることになりかねない。 |
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| 個人任せ・他人任せは負けパターンにつながる | ||||||||||||||||||||
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ではこうした問題に対して、社内のIT部門はどのように取り組めばよいのだろうか。 まずは「負けパターン」と「勝ちパターン」で、それぞれの仕事に対する取り組み方の違いを見てみよう。
表2:社内IT部門とITユーザの意欲関係 図1は、筆者が関わってきたさまざまな企業や、部門の業務改善のプロセスをパターン化したものだ。デキない組織の特徴は次の通りだ。 |
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| 沈滞した組織風土 | ||||||||||||||||||||
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経営層は積極的でも、現場では変化や改革を好まない。現状で取りあえず結果がでているのに、さらに何を望むのかといった批判的な考えが蔓延している。多忙なので新たなことはしたくない、といった声も少なからずある状況だ。 |
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| 個人任せ | ||||||||||||||||||||
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できる人やわかる人がすればよいといった、個人任せな対応が顕著。組織的に仕事が進められていない、ということもこれに関連する。 |
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| 他人任せ | ||||||||||||||||||||
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「できない」「わからない」という言い訳が多くなり、他人に責任転嫁したり、問題解決を丸投げしがちになる。根本には事態の面倒さからの逃避や、主体性の欠如がある。 |
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| 問題解決に不慣れ | ||||||||||||||||||||
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他人に任せてばかりいるため、問題を解決するための思考が身に付いていない。また、何事も完璧にできて当たり前だという、100%完璧主義的な意見が大勢を占める。そのため、チャレンジブルな試みは実を結びにくく、一方、当初の方針を修正しようものなら非難の嵐にあってしまう。根本には経験不足と、ロジカルかつ合理的な思考・判断の欠如がある。 |
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| 労に報いる習慣がない | ||||||||||||||||||||
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目立った成果をあげた時のみ報い、地道で地味な活動は評価されない場合が多い。あらゆることに関して、経営者の感謝の気持ちが薄いと捉えることもできる。 |
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| 組織を育てる習慣がない | ||||||||||||||||||||
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有能なメンバーや、若い社員ばかりに社員教育が集中する。あるいは、社員教育そのものが存在しないといったケースだ。会社は組織で支えているにも関わらず、組織全体を活動的にするという視点と行動に欠ける。 |
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