TOP調査レポート> 投資価値の判断について
IT投資効果分析
ビジネスモデルの変革を伴うIT投資効果分析の考え方

第3回:価値評価を考慮したIT投資評価

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/5/16
1   2  3  次のページ
投資価値の判断について

   前回は具体的にIT投資を行う際の判断基準や投資方法を紹介したが、今回はそれらを元にした具体的な投資における判断基準を解説していく。

   一般的に投資を判断する際には「DCF(Discounted Cash Flow:割引現在価値)」が欧米でよく活用されている。これはどのくらい利益をあげたかよりも、どのくらい手元にキャッシュが戻ってきたかを重要視するという「キャッシュフロー経営」が欧米企業の間で一般的に定着しているためである。そこでここでは、キャッシュフローベースで投資を行う場合の投資効果の評価について検討してみる。
投資価値の判断手法
図1:投資価値の判断手法

   次に各投資における判断基準、つまり投資すべき判断基準について以下に示す。

正味現在価値(NPV)
  • 回収対象期間中のキャッシュフローの現在価値と投下投資額の差がプラスの場合。NPVの絶対値が大きい投資案件のほうが良い
内部収益率(IRR)
  • 企業があらかじめ設定している投資に対する基準利回り(ハードルレート)以上の場合
投資資本利益率(ROI)
  • 複数の投資案件の比較基準として活用する。利益率のより高いプロジェクトの場合
投資回収期間(PP)
  • 回収期間の短い投資案件に投資を行なう

表1:投資すべき判断基準

1   2  3  次のページ


株式会社オープンストリーム  赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


INDEX
第3回:価値評価を考慮したIT投資評価
投資価値の判断について
  正味現在価値(NPV)の算出
  Payback Periodの算出