Windows Phoneのビジョンと戦略
はじめに
マイクロソフトが1998年に最初の携帯端末向けOSをリリースして以来、約12年の歳月が経過している。 当初は「パームPC」や「ポケットPC」と呼ばれたPDA(携帯情報端末)向けにOSを提供していたが、2005年、 ウィルコムよりWindows Mobile搭載の「W-ZERO3」の発売が開始されて以降、コンシューマー市場においても「スマートフォン」は浸透していった。 昨年は、ついに日本の主要通信キャリアすべてからWindows Mobile搭載のスマートフォンが発売されるようになった。
現時点で最新のOS、Windows Mobile 6.5.3搭載の新端末も先日KDDIより発表され、今後も続々と新機種が発売される予定だ。 マイクロソフトとしては、OSの進化と、携帯機器を取り囲むウェブサービスとの連動を通じて、新たなユーザー体験を提供し続けたいと考えている。
クラウド戦略の中でのモバイルの位置づけ
マイクロソフトは、PC、モバイルはもちろん、TVなど皆さまの前にあるすべてのスクリーンで「最高のユーザー体験」を提供していく、 という、「3スクリーン+クラウド戦略」を提唱している。
クラウドという言葉が昨今非常に脚光を浴びているが、企業システムにおける情報システムのアウトソーシングや、 単なるウェブアプリケーションとしてとらえられていることも多い。クラウドサービスにおいて重要なことは、 インターネットに接続されているすべてのスクリーンから利用でき、各スクリーンに最適化されたものを提供することだと弊社は考えている。 その意味で、常時電源が入り、ネットワークに接続されている携帯電話は、弊社の提唱するシナリオが最も具現化しやすいスクリーンだと考えている。
例えばWindows Phone向けには、無料で携帯電話のデータをクラウド上にバックアップできる「Microsoft MyPhone」、 多数のアプリを携帯電話から直接購入できる「Windows MarketPlace for Mobile(以下MarketPlace)」を提供している。 今後モバイル分野においては、OSの進化だけではなく、こういったサービスの進化と連携が鍵になると考えている。
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