SMB市場におけるLinuxの導入実態

2006年2月20日(月)
伊嶋 謙二

はじめに

最終回となる今回はSMBにおけるサーバOSの導入実態を見ていく。現在SMBにおいてサーバOSとして最も利用されているのはWindows 2000である。しかし、今回注目するのは、SMBにおける導入率はまだ1桁に留まっている。オープンソースソフトウェアのLinuxである。ノーク・リ サーチの調査結果を基にして、今後SMBにおいてLinuxが採用される可能性を考察していきたい。

SMBが最も選んでいるサーバOSはWindows 2000

ノーク・リサーチの調査結果によると、2005年時点でSMBにおけるサーバOSの種類として最も選ばれているのは「Windows 2000」で42.6%、「Windows NT」(25.5%)、「Windows 2003」(14.6%)と続き、一方「Linux」は6.6%だった。年推移で見ていくと、「Windows NT」が徐々に減少し、逆に「Windows 2000」がシェアを伸ばしたということがわかる。また「Linux」については、年を追うごとに約2%ずつ増加しているといったところである。

サーバOSの種類
図1:サーバOSの種類
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


「Windows NT」は徐々に利用者が減ってきているとはいうものの、いまだに1/4近くのSMBが使い続けているという状況は問題があるだろう。というのも、マイクロソフトのサポートは1年以上前の2004年12月にすでに停止されているからである。

   ここで詳細なデータは割愛するが、NTユーザの大半がサポートが切れているということを認知していた。わかっていながらも使い続ける理由はどこにあるのであろうか。実際に質問したところ、「移行する必要性を感じない」が6割と圧倒的であった。

こういった結果はWindows NTがいわゆる使い慣れた「枯れた」、すぐれたOSである証拠ではあるのだが、2世代前のOSの支持がこれだけ高いのもベンダーとしてどう対応するべきか微妙なところだ。

有限会社ノーク・リサーチ

1956年生まれ。1982年、株式会社矢野経済研究所入社。パソコン、PC(IA)サーバ、オフコンなどを プラットフォームとするビジネスコンピュータフィールドのマーケティングリサーチを担当。とくに中堅・中小企業市場とミッドレンジコンピュータ市場に関す るリサーチおよび分析、ITユーザの実態を的確につかむエキスパートアナリスト/コンサルタントとして活躍。1998年に独立し、ノーク・リサーチ社を設 立。IT市場に特化したリサーチ、コンサルティングを展開すると同時に、業界各誌への執筆活動も積極的に行っている。
ホームページ:http://www.norkresearch.co.jp/

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています