ERP市場の実態に関する調査内容
矢野経済研究所では、2005年1月〜2005年3月にかけて、業務統合管理型の海外系ERPパッケージ6製品、業務データ連携型の国産系ERPパッケージ製品20製品の合計26製品24社の主要ERPパッケージベンダーに対してヒヤリング調査を実施した。
調査はERPパッケージのベンダー出荷ベースによるライセンス売上高を基に、矢野経済研究所が独自に「エンドユーザ渡し価格」として数値の推定を行 なった。エンドユーザ渡し価格ベースのライセンス売上高による市場規模の推移、ベンダーシェアの算出を、ユーザ企業の年商別、業種別、ソリューション別 (財務会計、人事給与、販売管理、生産管理といったモジュール別)に製品およびパッケージベンダーのポジショニングについて市場分析を行った。
大手企業向けERPパッケージ市場はついに踊り場を迎える
図1はエンドユーザ渡し価格ベースにおけるERPパッケージライセンス売上高の実績値ならびに2008年までの予測値を算出したものである。
2004年は対2003年で-2.6%の821億2,800万円となり、事実上はじめての市場シュリンクとなった。ERPベンダー各社の2005年 見込み値をヒヤリングして積み上げると、2005年は対2004年でプラス15%増の944億2,100万円が見込まれる。2002年から2008年のエ ンドユーザ渡し価格ベースでのERPパッケージライセンス売上高のCAGR(年平均成長率)は8.7%と予想される。
2004年に市場シュリンクとなった大きな要因としては、年商1,001億円以上の大手企業で活躍が著しかったSAPやOracleの「大型案件減少」があげられる。
つまり2004年に「大手企業向けのERPパッケージ市場は"踊り場"を迎えた」といえる。
