ビジネスプロセスの可視化を実践するBPMS 6

アダプタ

アダプタ

次にBizLogicとBizSolo両方に用意されているアダプタについて説明します。

アダプタとは

プログラムあるいはシステム実行タイミングを業務プロセスフローの中に盛り込む際に「アダプタ」を用います。人のアイコン(アクティビティ)以外のイメージアイコンがアダプタとなります。
 

各BizLogicフロー
図7:各BizLogicフロー
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
 

アダプタはいくつかの種類が用意されており、以下のような場合に利用します。

カスタムアダプタ
  • 他のシステムと接続する処理をコーディングして作成する場合に利用
  • ビジネスロジック(Javaプログラム)やJavaライブラリを実行する場合に利用
管理アダプタ
  • メール送信やJMS送受信する場合に利用
  • データベースやFTP、Webサービスで接続する場合に利用
  • Excelファイルなどを操作する場合に利用
表4:アダプタの種類
 

これにより業務プロセスの中で現実の業務タイミングに合わせてプログラムやシステムを実行することが可能になります。

カスタムアダプタ

カスタムアダプタは、Javaソースを紐付けて利用するためのアダプタとなります。JARライブラリに含まれるクラスを設定することも可能ですし、作成したJavaプログラムを設定することも可能です。

ADAPTERを開く
図8:ADAPTERを開く
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

アダプタには、インプットデータとアウトプットデータをデータスロットで設定します。例えば、下記のように設定します。

  • 業務プロセスで流れているデータスロットの値を他のシステムやプログラムに渡す場合はインプットデータとして設定
  • 他のシステムやプログラムから処理結果を取得し、業務プロセスに流れるデータとして設定する場合はアウトプットデータとして設定
表5:インプットデータとアウトプットデータをデータスロットで設定
ここで設定されたデータスロットは、BPM Studioが自動的にアダプタのインターフェースとしてSetterメソッドとGetterメソッドを生成します。開発者の方はこれらのメソッドに対して、必要な業務処理を記述するだけでよいのです。

管理アダプタ

管理アダプタは様々なプロトコル、サービスを利用するための機能があらかじめ用意されており、これらはウィザード形式やパラメータ設定を行うだけで利用することができます。代表的な管理アダプタは以下の通りです。
 

管理アダプタの種類
図9:管理アダプタの種類
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

Email Adapter 設定ウィザードの例
図10:Email Adapter 設定ウィザードの例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

今回のまとめ

本連載ではSavvion Business Managerを例に、基本的なBPMアプリケーションの開発方法を紹介しました。Webシステムの開発を経験したことのある人は「これまでの開発と何か違う気がする」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

第2回:システム構築のポイント」でも説明したように、BPMシステム(アプリケーション)は、業務プロセスのフローに「サービス」としてアプリケーションを追加、開発していくというのが基本的な考え方となります。

つまり「アプリケーション=サービス」なので、様々な業務プロセスに含ませることはもちろんのこと、SBM以外のサービスアプリケーションからフ ローに接続することも可能となります。これに伴い、接続操作するためのAPIも公開しています。BPMエンジンでいくつものサービスをコントロールすることが「サービスの組み換えを柔軟に行うことができる」、つまり「BPMシステムは、業務に合わせて柔軟に変更ができる」理由の1つとなります。

ここで「BPMアプリケーションは理解したが、システムとしてこれらを変更改善するためのマネジメント支援機能や業務パフォーマンスの統計情報を見 るための支援機能は何か。もしかすると、ただのワークフローアプリケーションなのか」と疑問が湧いてくるかもしれません。そんなことはなく、複数の業務プロセスアプリケーションを同時にコントロールすることができるSavvionだからこそ得られる情報があるのです。

上記の疑問に応えるべく、次回はBPMシステムの本領である「ビジネスプロセスをマネジメントする」ための概念や機能について説明していきます。

 

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