ダッシュボード
ダッシュボード
1件1件の業務を確認するのではなく、業務全体の傾向をつかむためのダッシュボードが用意されています。このダッシュボードは現在実行されている業務すべてを集計したグラフと任意の1つ業務全体を集計したグラフの2通りを選択することができます。
表示されるグラフの内容は現在実行中の業務の優先度、平均実行時間、業務のステータスの割合、業務の期限日が今日のものの件数などがグラフ形式で確認できるようになっています。
レポート
レポート機能としてノンカスタマイズで業務のステータスや時間、作業量の切り口で業務の一覧を帳票形式で出力することができます。出力形式としては HTML、PDF、RTF、CSVなどのフォーマットをサポートしており、レポートを任意の周期で特定のユーザに送信することもできます。
SavvionではレポートエンジンとしてオープンソースのJasperReportsを用いています。
これによりユーザはiReportなどのJasperReports対応のレポート作成ツールを用いて、任意のレポートを作成することも可能です。
なお前述しましたがSavvion上の業務フローはレポジトリデータベースに格納されますが、Savvionはその格納しているデータ構造を公開し ています。よってユーザはJasperRepotsを用いて任意の業務履歴データをレポジトリデータベースより抽出して、よりユーザがより使いやすく、見 やすい形でレポートを新規に作成することができるのです。
ルール
Savvionでは「ルール」と呼ばれる独自のイベント駆動型プログラムを組むことができます。まずイベントについて説明します。以下の図5のようにフローがあるとします。
イベントは「ある業務フローが開始した」「ある業務のステップが開始した」「あるユーザが業務のステップを完了した」というタイミングで Savvion内部において自動生成されます。ルールはこのイベントを単独もしくは複数組み合わせてキャッチし、任意のプログラムを実行することができます。
例えば図5の業務フローで見積依頼ステップが完了した際に見積金額が閾値の500万円を超えていた場合、月別に閾値を超えた件数をカウントしておき たいというニーズがあればルールでその機能を実装することができます。また、業務が開始してからあるステップが完了するまでの時間の測定も可能です。
このとき「なぜフローで表現しないのか」という疑問を持たれた方もおられると思います。実際にはフローで表現しても全然問題はありませんし、同じ機 能を実現できます。しかし実際の業務とは関係ないデータの集計、統計、監査などの仕組みを業務フローで表現すると当然のことながら複雑になります。
複雑になればなるほど後に業務フローを見直そうとしたときに何が本来の業務フローであり、どの部分が業務として重要かそうではないのかがわかりにくくなり、業務改善しようとするモチベーションすら下げることになりかねません。
そこでSavvionは「ルール」というものを用意し、業務フローをなるべくシンプルにしつつ、業務の集計や統計、監査などの仕組みを組み込むことができるようになっています。
バランスコアカード
Savvionではダッシュボードとしてバランススコアカードを表示することができます。
このバランススコアカードのKPI元となっているデータは「ルール」を用いてリアルタイムに業務フローから収集、計算して表示しています。よって ユーザは、バランススコアカードを一瞥するだけで会社全体の業務プロセスがどのような状態にあるのかをリアルタイムに把握することができるのです。
Savvionのバランススコアカードは、あくまでもダッシュボード機能として表示させるための仕組みのみを用意しています。すなわち、どのような 業務データをどのタイミングで取得、計算し重み付けを行うかということは、バランススコアカードを必要としている経営層の人々や、コンサルタントの人が考 えなければならないという点は忘れないで下さい。
まとめ
図7の画面はあるユーザ使用しているBAMやBIを意識した業務管理画面で、これまで説明した業務管理機能を組み合わせてカスタマイズされたものです。
この画面は単純にグラフなどを表示しているだけではなく、クリックすれば詳細な業務フローデータにアクセスすることができ、業務フローの担当者なり条件分岐の閾値を変更すればリアルタイムに流れている業務のデータや業務フロー自体の流量制御を行えます。
BIやBAMは非常に有用なものです。しかしあくまでもこれまでの業務の結果だけ、これからこうなるだろうという予測だけのものです。これは「会社を車」「経営者を運転者」になぞらえますと、ハンドル、アクセル、ブレーキが利かない制御不能の車です。
運転者はルームミラーとフロントガラスで、これまで通過したところ(結果)と、これからどうなるのか(未来)を見ることができますが、間近にカーブが迫ったり、後ろからライバル車が追い上げてきたりしても車を制御できなければ意味がありません。
BPMは会社に制御をもたらすものです、しかし制御するには変化を知覚し反応しなければなりません。これまでの連載を読まれてきた読者の方は Savvion BusinessManagerが知覚(業務管理機能、ルール)、反応(素早い開発、変更)を兼ね備えているものだとおわかりいただけたかと思います。
これまでの連載ではSavvion BusinessManagerの機能や使い方をご紹介してきましたが、BPMの必要性はこれからもますます高まり、またBPMの領域も広がりを見せてお ります。それらに合わせてSavvionの機能や使い方は今後多岐に渡り変化し続けていきますので、ぜひ注目していてください。ご愛読本当にありがとうございました。




