ビジネス・プロセス・マネージメントの現状 〜 「経営と情報の架け橋」の実現にむけて 2

ARIS House

ARIS House

ARIS Houseとは、図2に示すように5つのビューで構成されており、企業活動を表す「組織」、「機能」、「アウトプット」、「データ」という静的な4要素を 階層的に整理し、「イベント」という時間軸を考慮した「プロセス」及び、静的情報としての4要素が統合された状態を表現する記述手法です。

ARIS House
図2:ARIS House
 

また、各ビューは図3に示すように「要件定義」、「仕様設計」、「構築」に分けて、情報システム開発の各フェーズで定義すべきドキュメントの種類(ARISツールでは、モデル・タイプと呼ぶ)が分類されています。



ARIS Houseの各ビューの分類
図3:ARIS Houseの各ビューの分類
 

このARIS Houseに従って効率的にモデル作成を行うためのツールが、ARIS Design Platformの製品群に当ります(ツールに関しては、次回以降で紹介します)。

この記述方法は、一見すると非常に単純で当たり前のことです。しかし、システム開発の現場でよくみる資料は、静的情報が整理された資料と業務機能が 記述されたフロー資料との関連がなく、フローの記述方法については、担当者によって様々な視点が入り交じった資料が多いようです。

また、このARIS Houseという概念は「今、自分が何を整理しているのか?」を意識することの助けとなり、思考整理としても非常に有効です。

ワークフローを記述している中で、当初は業務処理の順番に注目して整理をしていたはずが、いつの間にかにシステム機能の洗い出しに注目したフローになっていた…などという経験はないでしょうか?

このような状況において、ARIS Houseは、例えば、「今、自分はプロセス・ビューにおいて業務を時間軸という観点で捉え、情報の整理を行うのだ」という思考をもたらしてくれ、作業目的に応じた資料作成を効率的に行うことができます。
 

※注: 「Business Process Engineering: Reference Models for Industrial Enterprises」/A.- W. シェアー/1994年より

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