チーム開発ここまできた、個人からチームの生産性向上へ 2

品質の向上

品質の向上

チーム開発を行う上で、以下のような場面に遭遇し困ったことはありませんか。
 

  • 誰かがビルドエラーのままチェックインしてしまい、コードライブラリアンがテスト前にビルドできずに困った
  • 開発中に、テスト環境で確認テストを行いたい。しかし「ビルドマシンでビルドしないといけない」という運用ルールになっており、ビルドするにはソースコードを手動でビルドマシンにコピーするしかなかった
  • チェックインする前に、コードレビューを受けなければならない。通常はプリントアウトしてレビューしてもらえばよいが、変更の差分がわかりにくいので、変更したソースコードをメールで渡し、GUIツールで差分を見てレビューしていた

    表2:チーム開発における問題点

    これらの問題をVS2005 TFSでは、シェルブとチェックインポリシーによって解決できます。

     

    シェルブ

    シェルブは、一時的にソースコードをチェックインせずにサーバに保存できる機能です。プロジェクトから一時的に切り離すことができるので、特定のメンバーだけに公開することができます。また、変更後のソースコードをリポジトリにマージすることもできます。

    なお、シェルブは変更セットに似ていますが、共有フォルダのようにバージョン管理されないところが決定的に異なります。
     

    シェルブは共有フォルダでファイルを共有するようなもの
    図6:シェルブは共有フォルダでファイルを共有するようなもの

    シェルブの作成は、非常に簡単です。ソリューションエクスプローラの「Shelve Pending Changes…」を選択後、「Shelve」ボタンをクリックすれば作成することができます。この際、変更セットと同様にチェックインノートやチェックインコメントを追加することができます。
     

    シェルブの作成
    図7:シェルブの作成
    (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

    また作成されたシェルブは、ソリューションエクスプローラの「Unshelve Pending Changes…」を選択すれば簡単に検索することができます。
     

    シェルブの取得
    図8:シェルブの取得
    (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

    このように、シェルブはソースコードを簡単に共有することができ、かゆい所に手が届く機能です(個人的にお気に入り)。これにより、VSSではできなかったチェックイン前の細かいソースコードのチェックを行いやすくなります。

     

    チェックインポリシー

    チェックインポリシーは、ソースコードファイルをチェックインするために開発プロジェクトが課すことができる制約で、プロジェクト単位に設定することができます。既定ではポリシーは何も設定されていませんが、標準で表3のポリシーが定義されており、必要であれば追加していくことができます。
     

    • コード分析
    • 作業項目
    • テストポリシー

      表3:標準で定義されているチェックインポリシー

      チェックインポリシーの追加
      図9:チェックインポリシーの追加

      チェックインポリシーは、違反していた場合は警告画面が表示され、理由があれば回避してチェックインすることも可能です。
       

      チェックインポリシーによる警告
      図10:チェックインポリシーによる警告


       

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